第4節 地域における防災体制の見直し
1 地域防災計画等に基づく防災体制の緊急点検
東日本大震災を受けて、中央防災会議に「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」(以下「地震・津波対策専門調査会*1」という。)が設置され、検討結果を踏まえて、防災基本計画の修正が行われる見込みとなったことを契機に、消防庁では、地方公共団体の防災体制の早急な点検が必要との観点から、消防庁長官名で各都道府県知事あてに、「地域防災計画等に基づく防災体制の緊急点検の実施について(通知)」(平成23年5月6日消防災第157号)を発出した。
*1 地震・津波対策専門調査会は、9月28日に報告書を取りまとめ、10月11日に開催された中央防災会議にその内容を報告した。それを受けて、新たに総務大臣を含む関係閣僚及び学識経験者からなる「防災対策推進検討会議」が設置された。
当該通知においては、地域防災計画の見直しに向け、今回の震災の主な特徴として、津波による被害が甚大であること、被災地域が広大であること、中・長期的な災害対応が必要とされていること等を挙げたうえで、〔1〕被害想定、〔2〕市町村の災害対策本部機能の喪失等への対応、〔3〕津波に関する避難指示等の住民への伝達体制・伝達手段、〔4〕情報収集手段、〔5〕防災事務従事者の安全確保、〔6〕住民の安否情報確認、〔7〕中長期にわたる災害対応、〔8〕物資等の備蓄・輸送等、〔9〕都道府県の区域を越えた災害時の相互応援協定の締結等、〔10〕住民の防災意識向上のための普及啓発の各事項に留意して、地域の実情に応じて、必要な緊急点検を行う旨要請している。