平成24年版 消防白書

第5節 林野火災対策

[林野火災の現況と最近の動向]

平成23年中の林野火災の出火件数は2,093件(前年1,392件)、焼損面積は2,071ha(同755ha)、損害額は10億1,706万円(同7,098万円)であり、出火件数、焼損面積及び損害額は前年に比べ増加した(第1-1-19表)。

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例年、林野火災は春先を中心に発生している。この原因としては、降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹くこの時期に火入れが行われたり、山菜採りやハイキングなどで入山者が増加していることなどによるものと考えられる。平成23年は、4月、3月に多くの火災が発生している。(第1-1-27図)。

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平成23年においては、東日本大震災により3月に大規模・広範囲な林野火災が発生したため、特に焼損面積、損害額が大幅に増加している。また、1月には兵庫県高砂市で焼損面積117haの被害、8月には香川県直島町・岡山県玉野市で焼損面積237haの被害をもたらした大規模な林野火災も発生している。

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