[ガス災害対策]
1.ガス災害の現況と最近の動向
(1) 事故の発生件数
平成23年中に発生した都市ガス及び液化石油ガス(LPG)の漏えい事故又は爆発・火災事故のうち消防機関が出動したもの(以下「ガス事故」という。)の総件数は、1,235件である。このうち、東北地方太平洋沖地震その他震度6弱以上の余震(以下この節において「東日本大震災」という。)によるガス事故は204件であり、東日本大震災によるものを除いた件数は1,031件と、前年に比べ12件の減少となっている。
また、東日本大震災によるものを除いた件数をガスの種類別にみると、都市ガスによるものが648件、液化石油ガスによるものが383件となっている(第1-9-2図)。

ア 事故の態様別発生件数
東日本大震災によるものを除いたガス事故の発生件数を態様別にみると、漏えい事故が77.1%、爆発・火災事故が22.9%である。これをガスの種類別にみると、都市ガスでは90.1%が漏えい事故、9.9%が爆発・火災事故であるのに対し、液化石油ガスでは55.1%が漏えい事故、44.9%が爆発・火災事故となっている(第1-9-2図)。
イ 事故の発生場所別発生件数
東日本大震災によるものを除いたガス事故の発生件数を発生場所別にみると、消費先におけるものが75.9%、ガス導管におけるものが22.3%となっている(第1-9-3図)。

また、当該消費先におけるガス事故の発生件数を発生原因別にみると、元栓(コック)の誤操作・火の立ち消え等、消費者に係るものが61.9%、ガス事業者等に係るものが13.2%となっている。
(2) ガス事故による死傷者数
平成23年中に発生したガス事故(自損行為によるものを含む。)による死者数は、東日本大震災によるものを除き8人、負傷者数は172人である。死者数は、都市ガスによるものが3人、液化石油ガスによるものが5人となっている。負傷者数は、都市ガスによるものが59人、液化石油ガスによるものが113人となっている。
死傷者を事故の態様別にみると、東日本大震災によるものを除き、死者数は爆発・火災事故によるものが62.5%となっており、負傷者数は爆発・火災事故によるものが82.6%となっている(第1-9-4図)。

(3) 自損行為によるガス事故
平成23年中に発生したガス事故のうち、自損行為に起因する事故は、東日本大震災によるものを除き、ガス事故全体の3.8%に当たる39件で、これらの事故による死者数は5人(死者全体の62.5%)、負傷者数は20人(負傷者全体の11.6%)となっている。
自損行為に起因する事故で、漏えい事故にとどまったものは22件、爆発・火災事故にまで至ったものが17件となっている。