平成24年版 消防白書

2.公務員による死傷者の状況

(1) 公務による死傷者の状況

平成23年中における公務により死亡した消防職団員(火災等の災害対応、演習訓練等に出動し、職務遂行中に死亡したもの等)は222人、同じく負傷した消防職団員は2,475人である。前年に比べて公務による死者は210人増加し、負傷者は177人増加している(第2-3-1図、第2-3-2図、第2-3-2表)。

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これは、東日本大震災被災地において、住民の避難誘導、水門閉鎖等の業務に従事した消防職団員が津波により被災したため、前年度に比べて大幅に死傷者が増加したものである。

(2) 全国消防殉職者慰霊祭

全国消防殉職者慰霊祭は、昭和57年(1982年)から毎年執り行われており、平成24年は、防災の任務を遂行中、不幸にして尊い犠牲となられた全国消防殉職者並びに消防協力受難者の功績を称え、その御霊に深甚なる敬意と感謝の意を捧げることを目的として、消防庁の後援により、9月13日に厳粛に執り行われた。

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