平成26年版 消防白書

2.道府県・消防機関における防災体制

(1) 防災体制の確立

特別防災区域が所在する道府県では、石油コンビナート等災害防止法に基づく、石油コンビナート等防災本部(以下「防災本部」という)を中心とした防災体制が確立されている。防災本部は、石油コンビナート等防災計画(以下「防災計画」という。)の作成、災害時における関係機関の連絡調整、防災に関する調査研究の推進等の業務を行っている。

(2) 災害発生時の応急対策

特別防災区域で災害が発生した場合、その応急対策は、防災計画の定めるところにより、防災本部が中心となり、道府県、市町村、関係機関及び特定事業者等が一体となって行われる。
消防機関は、災害発生時において、災害防御活動の実施、自衛防災組織等の活動に対する指示を行う等、災害応急対応の重要な役割を担っている。

(3) 特別防災区域所在市町村等の消防力の整備

特別防災区域内で発生する災害は、大規模かつ特殊なものになるおそれがあり、それら災害に対応するための消防力を整備することは重要である。消防庁は、市町村の消防機関が基準とする「消防力の整備指針」において、特別防災区域に係る災害に対処するために保有すべき消防力を示しており、その整備を図っている。
平成26年4月1日現在、特別防災区域所在市町村の消防機関には、大型化学消防車87台、大型高所放水車64台、泡原液搬送車91台、大型化学高所放水車15台、3%泡消火薬剤3,111kl、6%泡消火薬剤775kl、消防艇25艇等が配備されている。
また、市町村の消防力を補完し、特別防災区域の防災体制を充実強化するため、特別防災区域所在道府県においても、泡原液貯蔵設備33基、可搬式泡放水砲16基等が整備されている。

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