平成26年版 消防白書

特集1 緊急消防援助隊の機能強化

東日本大震災では、発災日から88日間にわたり、延べ約3万1,000隊、約11万人の緊急消防援助隊が消防・救助活動に尽力し、5,064人の人命を救助した。
南海トラフでは、過去100年から150年程度の周期でマグニチュード8クラスの海溝型地震が発生しており、東海、東南海、南海地震の3つの地震源が同時あるいは、一定の時間差をもって動くことによる地震が発生している。東海地震の領域は発生から160年が経過しており、切迫性が指摘され、東南海・南海地震は前回地震から60余年が経過していることから、今世紀前半にもこの地域での地震の発生が懸念されている。また、マグニチュード7クラスの首都直下地震が関東大震災のような海溝型の地震に先立って数回発生することも予想されており、その切迫性が指摘されている。
こうした切迫する南海トラフ地震及び首都直下地震等の大規模災害への対応を強化するため、緊急消防援助隊について、消防組織法第50条の規定に基づく無償使用制度*1及び国庫補助金を活用した車両・資機材の整備、訓練を通じた運用強化を図るとともに、「緊急消防援助隊の編成及び施設の整備等に係る基本的事項に関する計画」(以下「基本計画」という。)を平成26年度から平成30年度末までの第3期計画として改正し、緊急消防援助隊の機能強化を進めているところであり、その概要は以下のとおりである。

*1 無償使用制度:緊急消防援助隊の活動上必要な車両・資機材等のうち、地方公共団体が整備・保有することが費用対効果の面から非効率的なものについて、大規模・特殊災害時における国の責任を果たすため、国が整備し緊急消防援助隊として活動する人員の属する都道府県又は市町村に対して無償で使用させるもの

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