平成26年版 消防白書

[震災対策の現況]

1.震災対策の推進

平成26年3月28日、既存の地震防災対策大綱(東海地震対策大綱、東南海・南海地震対策大綱、首都直下地震対策大綱、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策大綱、中部圏・近畿圏直下地震対策大綱)を統合し、南海トラフ巨大地震、首都直下地震に係る対策検討ワーキンググループが取りまとめた最終報告で示された新たな課題等を追加し、今後発生するおそれのある大規模地震への防災・減災対策として個別の具体的な施策等を網羅的に取りまとめた「大規模地震防災・減災対策大綱」(第1-6-3表)が新たに策定された。

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また、東海地震、南海トラフ地震、首都直下地震及び日本海溝・千島海溝周辺型地震については、それぞれ地震防災に係る特別措置法が整備され、対策が講じられているところである。
消防庁では、これらの法律等に基づき、震災対策に係る国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡、地域防災計画及び地震防災強化計画等に関する助言、防災訓練の実施、防災知識の普及啓発、震災対策に関する調査研究等を行っているほか、緊急消防援助隊の充実強化、震度情報ネットワークの整備(P 249参照)、地方公共団体における防災基盤の整備及び公共施設等の耐震化を推進している。

(1) 東海地震対策

東海地震については事前の予知の可能性があることから、昭和53年(1978年)12月に施行された大規模地震対策特別措置法により、東海地域を中心とする1都7県157市町村(平成26年4月1日現在)が地震防災対策強化地域として指定され、東海地震の予知情報が出された場合の地震防災体制を整備し、地震による被害の軽減を図ることとしている。
また、東海地震に関連する現象について調査が行われた場合に「東海地震に関連する調査情報(臨時)」が、観測された現象が東海地震の前兆現象である可能性が高まった場合に「東海地震注意情報」が、東海地震が発生するおそれがあると認められ、内閣総理大臣により警戒宣言が発せられた場合に、「東海地震予知情報」がそれぞれ発表されることとなっており、これらの情報が発表された場合には政府として防災対応を行うこととされている(第1-6-1図)。

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消防庁においても「東海地震に関連する調査情報(臨時)」が発表された場合にはあらかじめ指定された職員が参集し災害対策室を設置するほか、「東海地震注意情報」及び「東海地震予知情報」が発表された場合には全職員が参集し災害対策本部を設置して災害応急対応にあたることとしている。

(2) 南海トラフ地震対策

南海トラフ*1沿いの地域では、ここを震源域として100年から150年間隔で大規模地震が繰り返し発生しており、近年では、昭和19年(1944年)に昭和東南海地震、昭和21年(1946年)に昭和南海地震が発生している。東海地震の領域は発生から160年が経過しており、切迫性が指摘され、また、東南海・南海地震については前回地震から、既に60年以上が経過していることから、今世紀前半にも発生することが懸念されている(第1-6-2図)*2

*1 南海トラフ:駿河湾から遠州灘、熊野灘、紀伊半島の南側の海域及び土佐湾を経て日向灘沖までのフィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底の溝状の地形を形成する区域
*2 地震調査研究推進本部の地震調査委員会によると、マグニチュード8~マグニチュード9クラスの南海トラフの地震が今後30年以内に発生する確率は、70%程度となっている。また、最大クラスの地震の発生頻度は、100~200年の間隔で繰り返し起きている大地震に比べ、一桁以上低いとされている

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平成23年8月に「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が内閣府に設置され、科学的知見に基づき南海トラフの巨大地震対策を検討する際に規定すべき最大クラスの地震・津波の検討を進めることとされた。同モデル検討会は、同年12月に南海トラフの巨大地震モデルの想定震源域・想定津波波源域の設定の考え方などの「中間とりまとめ」を公表し、平成24年3月には、最大クラスの震度分布・津波高(50mメッシュ)の推計結果を第一次報告として公表した。続いて、同年8月に10mメッシュによる津波高及び浸水域等の推計結果を第二次報告として公表した。
一方、南海トラフ巨大地震に対する対策を検討するため、平成24年3月、中央防災会議「防災対策推進検討会議」の下に「南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ」が設置され、同年7月には、当面取り組むべき対策等を取りまとめた中間報告を、同年8月には、モデル検討会の10mメッシュによる津波高等の公表に合わせて、第一次被害想定(人的被害及び建物被害)を、また平成25年3月には、第二次被害想定(施設等の被害及び経済的な被害)を公表した。さらに、同年5月には、同ワーキンググループより、南海トラフ巨大地震の基本的方向、具体的に実施すべき対策、今後検討すべき主な課題などを示した最終報告が公表された。
こうした被害想定等の公表を受け、ハード・ソフト両面からの総合的な地震防災対策の推進を図るため、平成25年11月に「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する法律」が「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」として改正がなされ、法律の対象地震が東南海・南海地震から南海トラフ地震に拡大された。
南海トラフ地震が発生した場合は著しい被害が発生する可能性があるため、「南海トラフ地震防災対策推進地域」として1都2府26県707市町村(平成26年3月28日現在)を指定し、また、推進地域のうち、津波避難対策を特別に強化すべき地域を「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」として1都13県139市町村(平成26年3月28日現在)を指定し、地震防災対策の強化が図られている。
また、同法に基づき、平成26年3月に、「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」が策定され、国の南海トラフ地震の地震防災対策の推進に関する基本的方針及び基本的な施策に関する事項、施策の具体的な目標及びその達成の期間、南海トラフ地震が発生した場合の災害応急対策の実施に関する基本的方針、指定行政機関、関係地方公共団体等が定める南海トラフ地震防災対策推進計画及び関係事業者等が定める南海トラフ地震防災対策計画の基本となるべき事項等が定められた。

(3) 首都直下地震対策

首都地域は、人口や建築物が密集するとともに、我が国の経済・社会・行政等の諸中枢機能が高度に集積している地域であり、過去にもマグニチュード7クラスの地震や相模トラフ*3沿いのマグニチュード8クラスの大規模な地震が発生している*4(第1-6-3図)。こうした大規模な地震が発生した場合には、被害が甚大となり、かつ影響が広域に及ぶものとなるおそれがある。

*3 相模トラフ:房総半島沖から相模湾にかけて海底に横たわる細長い凹地
*4 地震調査研究推進本部の地震調査委員会によると、南関東でのマグニチュード7程度の地震が今後30年以内に発生する確率は、70%程度となっている。

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平成24年3月に、中央防災会議「防災対策推進検討会議」の下に「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が、同年5月には、内閣府に「首都直下地震モデル検討会」が設けられた。同ワーキンググループは、同年7月に被害想定を待たずとも取り組むべき対策と今後重点的に検討すべき課題を中間報告として取りまとめた。その後、同ワーキンググループでは、首都直下で発生が想定される19パターンの地震について検討を行い、首都中枢機能への影響と被災量がおおむね最も大きくなる地震として、都心南部直下で発生した地震の被害想定について、被害の様相と対策すべき事項等を検証し、平成25年12月に最終報告として取りまとめた。
一方、平成23年9月に、内閣府と東京都を共同事務局とし、関係府省庁、地方公共団体及び経済団体等からなる「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」が設置され、平成24年9月には、帰宅困難者対策を官民が連携・協働して実施するための報告書・ガイドラインが取りまとめられた。
また、平成25年11月に、首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の生命、身体財産を保護することを目的として「首都直下地震対策特別措置法」が制定された。
同法に基づき、平成26年3月に、首都直下地震に関する施策の基本的な事項を定める「緊急対策推進基本計画」及び政府の業務継続に関する事項を定める「行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画」(政府業務継続計画)が策定された。
さらに、首都中枢機能の維持及び滞在者等の安全確保を図るべき地区として千代田区・中央区・港区・新宿区を「首都中枢機能維持基盤整備等地区」(平成26年3月時点)として指定している。
なお、首都直下地震により著しい被害が生じるおそれがあるため緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域を「首都直下地震緊急対策区域」として1都9県310市区町村(平成26年3月28日時点)が指定されている。

(4) 日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策

日本海溝・千島海溝周辺では、過去において大津波を伴う地震が多数発生しており、東北地方太平洋沖地震もこの領域で発生している。日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に備え、地震防災対策を推進する必要がある地域を「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域」として1道4県117市町村(平成26年4月1日現在)を指定し、地震防災対策の強化が図られている。

(5) 中部圏・近畿圏直下地震対策

中部圏・近畿圏の内陸には多くの活断層があり、次の東南海・南海地震の発生に向けて、中部圏及び近畿圏を含む広い範囲で地震活動が活発化する可能性が高い活動期に入ったと考えられるとの指摘もある。この地域の市街地は府県境界を越えて広域化しており、大規模な地震が発生した場合、甚大かつ広範な被害が発生する可能性がある。中部圏・近畿圏直下地震への防災対策については、中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会」において検討された。
同専門調査会では、地震が発生した場合の「応急対策」等具体的に検討するための地震として、中部圏・近畿圏に存在する11の活断層で発生する地震と、名古屋市直下及び阪神地域直下に想定したマグニチュード6.9の地震について、想定震度分布等を公表するとともに、建物被害、死者数等の推計結果(第1-6-4表)をはじめ、文化遺産の被災可能性、経済、交通、ライフライン被害等の推計結果、上町断層帯による浸水可能性の評価結果を公表している。これらの被害想定結果を踏まえ、平成20年12月には、被害軽減を図るための対策を含んだ「中部圏・近畿圏の内陸地震に関する報告」が取りまとめられた。

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なお、平成21年4月、中部圏・近畿圏直下地震対策のマスタープランである「中部圏・近畿圏直下地震対策大綱」が中央防災会議で決定された(平成26年3月「大規模地震防災・減災対策大綱」の策定により廃止)。

(6) その他

平成7年(1995年)1月に発生した阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、総合的な地震防災対策を強化するため、同年7月に「地震防災対策特別措置法」が施行された。同法に基づき地域防災計画に定められた事項のうち、地震防災上緊急に整備すべき施設等に関して、すべての都道府県において「地震防災緊急事業五箇年計画」が作成され、これらの計画に基づき、避難地、避難路、消防用施設、緊急輸送路の整備、社会福祉施設・公立小中学校等の耐震化及び老朽住宅密集市街地対策等が実施されてきている。
同計画は、第1次地震防災緊急事業五箇年計画(平成8年度(1996年度)~平成12年度(2000年度))、第2次地震防災緊急事業五箇年計画(平成13年度~平成17年度)、第3次地震防災緊急事業五箇年計画(平成18年度~平成22年度)、第4次地震防災緊急事業五箇年計画(平成23年度~平成27年度)と策定され、防災基盤の整備に向けた事業への積極的な取組が続けられている。
消防庁では、大規模地震発生時に、避難所や災害対策の拠点となる公共施設等について、地方単独事業として行われる耐震改修事業に対し、地方債と地方交付税による財政支援を行っている。なお、平成21年度からは、地震による倒壊の危険性が高い庁舎及び避難所について、事業費の90%を起債対象とし、その元利償還金の2/3を交付税算入とする地方財政措置の拡充を行った。さらに、東日本大震災の教訓を踏まえて平成23年12月に新たに設けられた「緊急防災・減災事業(単独)」の対象とすることとし、平成26年度においても、地方公共団体が緊急に防災・減災に取り組むために措置された「緊急防災・減災事業」(起債充当率100%、交付税措置率70%)の対象としている。
また、耐震診断・改修工事の効果的な実施手法や事例を紹介する「防災拠点の耐震化促進資料(耐震化促進ナビ)」を平成17年度に作成し、すべての地方公共団体へ配布するとともに、消防庁ホームページにおいて公表している(参照URL:http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/taishin/index-j.html)。

〔1〕 耐震性貯水槽の整備
大規模地震発生時には、地震動による配水管の破損、水道施設の機能喪失等により消火栓の使用不能状態が想定され、消火活動に大きな支障を生ずることが予測される。
このため、消防庁では、地震が発生しても消防水利が適切に確保されるよう、国庫補助による耐震性貯水槽の整備を進めているところであり、平成26年4月1日現在、全国で、10万85基が整備されている。
〔2〕 震災対策のための消防用施設等の整備の強化
地震防災対策強化地域における防災施設等の整備や地震防災緊急事業五箇年計画に基づく防災施設等の整備については、国の財政上の特例措置が講じられている。また、地方単独事業についても地方債と地方交付税の措置により地方公共団体の財政負担の軽減が図られてきた。大規模地震発生後における防災活動が迅速かつ的確に行われ震災被害を最小限に抑えるためには、今後とも中・長期的な整備目標等に基づき、より一層の消防防災施設等の整備促進を図っていくことが必要である。

我が国においては、地震とそれに伴い発生する津波によって、過去に大きな被害が生じている。東日本大震災においても津波によって甚大な被害が発生した。
これを受け、第177回国会において、議員立法により、津波対策を総合的かつ効率的に推進するために「津波対策の推進に関する法律」が成立し、平成23年6月24日に公布・施行された。同法律では、津波対策に係る基本的認識や11月5日を津波防災の日とすること等が定められた。
同年12月には、1)都道府県知事が、最大クラスの津波が悪条件下において発生することを前提に津波防災地域づくりを実施するための基礎となる津波浸水想定を設定、2)その上で、当該津波浸水想定を踏まえて、ハード・ソフト対策を組み合わせた市町村の推進計画の作成、都道府県知事による津波災害警戒区域・津波災害特別警戒区域の指定等を、地域の実情に応じ、適切かつ総合的に組み合わせることにより、最大クラスの津波への対策を効率的かつ効果的に講ずることなどを主な内容とする「津波防災地域づくりに関する法律」が成立し、同月公布・施行された。
一方、中央防災会議「防災対策推進検討会議」の下の「津波避難対策検討ワーキンググループ」は、津波避難対策の基本的な考え方及び具体的な方向性について示した報告を平成24年7月に取りまとめた。同報告が示した津波避難対策の基本的な考え方は「素早い避難」が最も有効で重要な津波対策であること、津波による人的被害を軽減するためには、住民等一人ひとりの迅速かつ主体的な避難行動が基本となること、その上で、海岸保全施設等のハード対策や確実な情報伝達等のソフト対策は、すべて素早い避難の確保を後押しする対策と位置付けるべきものであることである。
実効性のある津波避難対策を実施するためには、都道府県が津波浸水想定区域図を作成すること、それに基づき、市町村が避難対象地域の指定、緊急避難場所等の指定、避難指示等の情報伝達、避難誘導等を定める必要がある。
消防庁では、こうした地方公共団体の取組を推進するため、平成24年度に有識者及び地方公共団体関係者等による「津波避難対策推進マニュアル検討会」を開催し、2市町(徳島県海陽町・愛知県弥富市)において住民による津波避難の検討や津波避難訓練を行い、それらの内容を「津波避難対策推進マニュアル検討会報告書」としてとりまとめるとともに、地方公共団体に通知した(平成25年3月)。
本報告書では、津波避難を円滑に実施するためには、地域の実情を踏まえつつ、広域的かつ統一的な考え方に基づいた避難対策を講じる必要があることから、都道府県が市町村に示す指針等の参考を提示するとともに、住民等が安全に避難するため、その地域の情報に詳しい住民が直接参加し、津波避難を検討する際の参考となるマニュアルを提示している。消防庁では、津波避難の専門家を市町村に派遣するなど、市町村における津波避難対策を促進している。
また、平成16年度に開催した「防災のための図記号に関する調査検討委員会」では、津波避難に係る標準的図記号として、「津波注意」、「津波避難場所」、「津波避難ビル」の3種の図記号を決定した(第1-6-4図)。これらの図記号は、平成20年7月に国際規格化(ISO化)されるとともに、平成21年3月にJIS(日本工業規格)化されている。災害時には、地域住民はもとより、観光客や外国人などが共通した認識を持ち、迅速かつ円滑な避難を行う必要があることから、これらの図記号を用いた避難標識の整備を進めていく必要がある。

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さらに、地方公共団体が整備する津波避難タワーや、住民の避難経路となる避難路・避難階段、浸水想定区域内からの公共施設等の移転などに係る地方単独事業に要する経費については、従来より地方債と地方交付税による支援を行ってきており、平成26年度においては「緊急防災・減災事業」により支援を行っている。

地震災害は地震動による建築物の損壊のみならず、津波、火災、山崩れ等による二次的災害も含んだ複合的な災害であり、被害も広範囲に及ぶという特性を有するものであるため、地域防災計画において、他の災害とは区分して「震災対策編」等として独立した総合的な計画を作成しておく必要がある。
さらに、平成23年12月の防災基本計画の修正により、これまで震災対策編の一部とされていた津波災害対策について、新たに独立して「津波災害対策編」が設けられた(震災対策編は「地震災害対策編」とされた。)。
また、地域防災計画の作成・見直しにおいては、被害想定に基づく防災体制の見直しや、近隣地方公共団体における計画との整合性に留意するとともに、職員参集・配備基準をはじめ各種応急体制の整備・充実、災害時における職員の役割や関係機関等との連絡体制等を明確にするなど、地域防災計画の実効性の向上に努めることが重要である。

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