平成26年版 消防白書

1.消防庁における当面の重点研究開発目標

消防庁では、これら顕在化した課題解決のため、産学官における消防防災分野の研究に携わる関係者の共通認識・目標として策定している「消防防災科学技術高度化戦略プラン」(平成13年策定、同19年改定)を改定し、新たに「消防防災科学技術高度化戦略プラン(2012)」を取りまとめた。本プランでは、特に、安心・安全な社会の実現に向けて、実用化を目的とした研究開発を一層推進することにより、その成果が消防防災分野における社会システムの高度化に大きく貢献することを基本方針とし、消防研究センターを中心に関係者の一層の連携を図ることとした。さらに、本プランにおいては、「地震・津波・風水害等から住民を守る」、「複雑化、多様化する火災から住民を守る」など国民にわかりやすい視点で設定した五つの重点的研究領域及び、「火災予防・防火」、「大規模災害における防災情報」、「消火」、「救助」、「救急」など九つの各消防防災分野における個別具体的に取り組むべき研究課題を掲げ、関連する研究開発を戦略的・効率的に推進することとしている。
また、「科学技術イノベーション総合戦略2014」(平成26年6月24日閣議決定)、「世界最先端IT国家創造宣言」(平成26年6月24日閣議決定)、「「日本再興戦略」改訂2014」(平成26年6月24日閣議決定)等の政府方針を踏まえ、ICTやロボット技術等の先端技術を活用した新たな装備・資機材の開発・改良や消防法令上の技術基準等の確立に資する当面の重点研究開発目標(第6-1表)について、成果達成に向けた研究開発を推進することとしている。

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