平成27年版 消防白書

5.高齢者、障がい者及び外国人来訪者等に配慮した防火安全対策

高齢化の進展や2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催に伴い、高齢者、障がい者又は外国人来訪者が利用する防火対象物において、これらの者に配慮した防火安全対策を推進していくことが求められている。
このような状況を踏まえ、高齢者、障がい者等に対して火災発生時に警報を適切に伝えることができる光警報装置のあり方について検討を進めている。これまでに実際の商業施設や空港等をモデル施設として光警報装置による火災認知及び避難に関する効果の実証実験を行い、光警報装置が備えるべき性能等について結論を得たところである。今後、どのような場所に光警報装置を設置することが有効かという点について海外の事例等を参考に検討を行い、ガイドラインを策定するなどにより対策を進めていく必要がある。
あわせて、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会において多数の外国人来訪者等が競技場や駅、空港などのターミナル施設等を利用することが見込まれることから、これらの施設で火災が発生した場合に、外国人来訪者等に対し火災情報を的確に伝え、迅速な避難行動を促すための具体的な方策について検討するなどして、必要な防火安全対策を取りまとめ、推進していく必要がある。

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