平成27年版 消防白書

[ガス災害対策]

1.ガス災害の現況と最近の動向

(1) 事故の発生件数

平成26年中に発生した都市ガス及び液化石油ガス(LPG)の漏えい事故又は爆発・火災事故のうち消防機関が出動したもの(以下「ガス事故」という。)の総件数は802件であり、前年の事故件数764件と比べ38件の増加となっている。これをガスの種類別にみると、都市ガスによるものが444件、液化石油ガスによるものが358件となっている(第1-8-2図)。

1-8-2zu.gif

ア ガス事故の態様別発生件数

ガス事故の発生件数を態様別にみると、漏えい事故が74.2%、爆発・火災事故が25.8%である。これをガスの種類別にみると、都市ガスでは90.1%が漏えい事故、9.9%が爆発・火災事故であるのに対し、液化石油ガスでは54.5%が漏えい事故、45.5%が爆発・火災事故となっている(第1-8-2図)。

イ ガス事故の発生場所別件数

ガス事故の発生件数を発生場所別にみると、消費先におけるものが66.1%、ガス導管におけるものが29.8%となっている(第1-8-3図)。

1-8-3zu.gif

また、当該消費先におけるガス事故の発生件数を発生原因別にみると、元栓(コック)の誤操作・火の立ち消え等、消費者に係るものが56.8%、ガス事業者等に係るものが14.0%となっている。

(2) ガス事故による死傷者数

平成26年中に発生したガス事故(自損行為によるものを含む。)による死者数は7人、負傷者数は143人である。死者数は、都市ガスによるものが1人、液化石油ガスによるものが6人となっており、負傷者数は、都市ガスによるものが27人、液化石油ガスによるものが116人となっている。
死傷者を事故の態様別にみると、死者数は爆発・火災事故によるものが85.7%となっており、負傷者数は爆発・火災事故によるものが90.2%となっている(第1-8-4図)。

1-8-4zu.gif

(3) 自損行為によるガス事故

平成26年中に発生したガス事故のうち、自損行為に起因する事故は、ガス事故全体の1.4%に当たる11件で、これらの事故による死者数は1人(死者全体の14.3%)、負傷者数は3人(負傷者全体の2.1%)となっている。

関連リンク

平成27年版 消防白書(PDF版)
平成27年版 消防白書(PDF版) 平成27年版 消防白書(一式)  はじめに 阪神・淡路大震災から20年 ~2つの大震災を踏まえた消防防災体制の充実~  特集1 創設20周年を迎えた緊急消防援助隊  特集2 消防団を中核とした地域防災力の充実強化  トピック...
はじめに 阪神・淡路大震災から20年 ~2つの大震災を踏まえた消防防災体制の充実~
はじめに 阪神・淡路大震災から20年 ~2つの大震災を踏まえた消防防災体制の充実~ 本白書が発行される平成27年は阪神・淡路大震災から20年に当たる節目の年である。この20年間、阪神・淡路大震災を教訓に、消防においても様々な対応がなされてきた。 そのひとつとして緊急消防援助隊があげられる。平成7年に...
特集1 創設20周年を迎えた緊急消防援助隊
特集1 創設20周年を迎えた緊急消防援助隊 平成7年(1995年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、死者・行方不明者6,437人、負傷者4万3,792人、家屋被害63万9,686棟の被害があり、兵庫県内の消防応援のほか全国41都道府県、延べ約3万2,000人の消防応援が実施された。他方、近代...
1.緊急消防援助隊の充実強化に向けて
1.緊急消防援助隊の充実強化に向けて 緊急消防援助隊が更なる発展を遂げるため、運用の充実強化に向けて、以下の課題に取り組んでいる。 (1) 迅速な出動と展開 緊急消防援助隊は、消火、救助、救急及びそれらの前提となる情報収集等、国民の生命に直結する緊急性の最も高い活動を求められる部隊であり、迅速な出動...