平成28年版 消防白書

2.避難行動要支援者の支援対策の推進

平成28年4月1日現在、避難行動要支援者名簿を作成済の市町村は84.1%(1,460団体)、平成28年度末までには99.1%(1,720団体)が名簿を作成済となる予定である。
市町村において早期に名簿が作成され、名簿を活用した実行性のある避難行動支援が行われるよう、関係機関と連携しながら取り組んでいく必要がある。

(1) 徳島県南部を震源とする地震による被害等の状況

平成27年2月6日10時25分に徳島県南部を震源とするマグニチュード5.1の地震が発生し、最大震度5強が徳島県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
震度5弱以上を観測したのは、徳島県のみであった。
消防庁では、10時25分に国民保護・防災部長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」を設置し、震度5強を観測した徳島県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害はなく、住家被害は一部破損1棟であった。

(2) 岩手県沖を震源とする地震による被害等の状況

平成27年2月17日13時46分に岩手県沖を震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、最大震度5強が青森県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
各地の最大震度(震度5弱以上)は、【震度5強】青森県、【震度5弱】岩手県であった。
消防庁では、13時46分に国民保護・防災部長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」を設置し、震度5弱以上を観測した青森県、岩手県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害、住家被害は発生しなかった。

(3) 宮城県沖を震源とする地震による被害等の状況

平成27年5月13日6時12分に宮城県沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生し、最大震度5強が岩手県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
各地の最大震度(震度5弱以上)は、【震度5強】岩手県、【震度5弱】宮城県であった。
消防庁では、6時12分に国民保護・防災部長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」を設置し、震度5弱以上を観測した岩手県、宮城県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害はなく、住家被害は一部破損3棟であった。

(4) 小笠原諸島西方沖を震源とする地震による被害等の状況

平成27年5月30日20時23分に小笠原諸島西方沖を震源とするマグニチュード8.1の地震が発生し、最大震度5強が東京都と神奈川県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
各地の最大震度(震度5弱以上)は、【震度5強】東京都、神奈川県、【震度5弱】埼玉県であった。
消防庁では、20時24分に国民保護・防災部長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」を設置し、震度5弱以上を観測した埼玉県、東京都、神奈川県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害は軽傷8人、住家被害は一部破損が2棟であった。

(5) 大分県南部を震源とする地震による被害等の状況

平成27年7月13日2時52分に大分県南部を震源とするマグニチュード5.7の地震が発生し、最大震度5強が大分県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
各地の最大震度(震度5弱以上)は、【震度5強】大分県、【震度5弱】愛媛県、熊本県であった。
消防庁では、2時52分に国民保護・防災部長を長とする「消防庁災害対策本部(第2次応急体制)」を設置し、震度5弱以上を観測した愛媛県、大分県、熊本県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害は軽傷3人、住家被害は一部破損3棟であった。

(6) 内浦湾を震源とする地震による被害等の状況

平成28年6月16日14時21分に内浦湾を震源とするマグニチュード5.3の地震が発生し、最大震度6弱が北海道で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
震度5弱以上を観測したのは、北海道のみであった。
消防庁では、14時21分に消防庁長官を長とする「消防庁災害対策本部(第3次応急体制)」を設置し、震度6弱を観測した北海道に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害は軽傷1人、住家被害は一部破損3棟であった。

(7) 鳥取県中部を震源とする地震

平成28年10月21日14時07分に鳥取県中部を震源とするマグニチュード6.6の地震が発生し、最大震度6弱が鳥取県で観測された。なお、気象庁からは、この地震による津波の心配はない旨の発表があった。
各地の最大震度(震度5弱以上)は、【震度6弱】鳥取県、【震度5強】岡山県、【震度5弱】島根県であった。
消防庁では、14時07分に消防庁長官を長とする「消防庁災害対策本部(第3次応急体制)」を設置し、震度5弱以上を観測した鳥取県、岡山県、島根県に対し、適切な対応及び被害報告について要請を行った。
この地震による人的被害は重傷5人(鳥取県4人、岡山県1人)、軽傷23人、住家被害は全壊2棟、半壊3棟、一部破損7,852棟であった(10月31日時点)。

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