平成30年版 消防白書

[火災予防行政の現況]

1.住宅防火対策の現況

平成29年中の放火を除いた住宅火災の件数(1万489件)は、放火を除いた建物火災の件数(1万9,730件)の約5割となっている。また、放火自殺者等を除く住宅火災による死者数(889人)は、放火自殺者等を除く建物火災による死者数(1,025人)の約9割となっている(附属資料1-1-25)。さらに、住宅火災による死者の約7割が65歳以上の高齢者となっている。
平成16年の消防法改正により、住宅用火災警報器の設置が、新築住宅については平成18年6月から義務化され、既存住宅についても平成23年6月までに各市町村の条例に基づき、全国の市町村において義務化された。消防庁では「住宅用火災警報器設置対策会議」を開催し、同会議において決定された「住宅用火災警報器設置対策基本方針」を踏まえ、全国の消防本部等において、消防団、女性(婦人)防火クラブ及び自主防災組織等と協力して、設置の徹底及び維持管理のための各種取組を展開している。平成30年6月1日時点で全国の設置率*3は81.6%、条例適合率*4は66.5%となっており、都道府県別にみると設置率及び条例適合率は福井県が最も高くなっている(第1-1-15表)。

第1-1-15表 都道府県別設置率及び条例適合率(平成30年6月1日時点)

第1-1-15表 都道府県別設置率及び条例適合率(平成30年6月1日時点)

(備考)
1 ( )内は、設置率等が高い都道府県から順に番号を付している。
2 標本調査のため、各数値は一定の誤差を含む。

*3「設置率」とは、市町村の火災予防条例で設置が義務付けられている住宅の部分のうち、一箇所以上設置されている世帯(自動火災報知設備の設置により住宅用火災警報器の設置が免除される世帯を含む。)の全世帯に占める割合である。
*4「条例適合率」とは、市町村の火災予防条例で設置が義務付けられている住宅の部分の全てに設置されている世帯(自動火災報知設備の設置により住宅用火災警報器の設置が免除される世帯を含む。)の全世帯に占める割合である。

関連リンク

平成30年版 消防白書(PDF版)
平成30年版 消防白書(PDF版) 平成30年版 消防白書 (一式)  平成30年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応  特集2 最近の地震の被害と対応  特集3 消防防災ヘリコプターの安全運航体制の強化&n...
はじめに
はじめに この1年は、西日本を中心に多くの河川の氾濫や土砂崩れ等を引き起こした平成30年7月豪雨、震度6弱を観測した大阪府北部を震源とする地震、平成28年4月の熊本地震以来の震度7を観測した平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震など、風水害や地震等の自然災害が各地において発生し、多くの人的・物的被害...
特集
特集 人口減少や高齢化に代表される社会の構造の変化、風水害の多発化・激甚化や災害の多様化等、消防を取り巻く状況は常に変化しています。これらに適切に対応していくとともに、今後発生が予測されている南海トラフ地震や首都直下地震をはじめとする地震災害等に備える必要があります。 平成30年においては、大阪府北...
1.災害の概要
特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応 1.災害の概要 (1)気象の状況 平成30年6月28日以降、北日本に停滞していた前線は、7月4日にかけ北海道付近に北上した後、5日には西日本まで南下してその後停滞した。 また、6月29日に発生した台風第7号は、東シナ海を北上し、対馬海峡付近で進路を北東に変えた...