平成30年版 消防白書

8.消防用設備等に係る技術基準の性能規定

消防用設備等に係る技術上の基準は、材料・寸法などを仕様書的に規定しているものが多く、十分な性能を有する場合であっても、新たな技術を受け入れにくいという面があるため、消防防災分野における技術開発を促進するとともに、一層効果的な防火安全対策を構築できるよう性能規定が導入されている。
その基本的な考え方は、従来の技術基準に基づき設置されている消防用設備等と同等以上の性能を有するかどうかについて判断し、同等以上の性能を有していると確認できた設備については、それらの消防用設備等に代えて、その設置を認めるというものである。
消防用設備等に求められる性能は、火災の拡大を初期に抑制する性能である「初期拡大抑制性能」、火災時に安全に避難することを支援する性能である「避難安全支援性能」、消防隊による活動を支援する性能である「消防活動支援性能」に分けられる。これらについて、一定の知見が得られているものについては、客観的検証法(新たな技術開発や技術的工夫について客観的かつ公正に検証する方法)等により、同等性の評価が行われる。
一方、既定の客観的検証法のみでは同等性の評価ができない設備等(特殊消防用設備等)を対象として、総務大臣による認定制度が設けられている。これは、一般的な審査基準が確立されていない「特殊消防用設備等」について、防火対象物ごとに申請し、性能評価機関(日本消防検定協会又は登録検定機関)の評価結果に基づき総務大臣が審査を行い、必要な性能を有すると認められたものを設置できることとするものである。平成30年3月31日現在、特殊消防用設備等としてこれまで67件が認定を受けている(附属資料1-1-51)。
これらの規定を活用することにより、新技術等を用いた新たな設備等が、積極的に開発・普及されることが期待されている。

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