平成30年版 消防白書

2.南海トラフ地震・首都直下地震などへの対策、津波対策の推進

南海トラフ地震は、我が国で発生する最大級の地震であり、その大きな特徴として、極めて広域にわたり、強い揺れと巨大な津波が発生すること、津波の到達時間が極めて短い地域が存在すること、時間差をおいて複数の巨大地震が発生する可能性があること、南海トラフ巨大地震となった場合には、被災の範囲は超広域にわたり、その被害はこれまで想定されてきた地震とは全く様相が異なると考えられること等があげられる。
また、首都圏において大規模な首都直下地震が発生した場合には、政治、行政、経済等の中枢機能への障害や、我が国全体の国民生活及び経済活動に支障が生じるほか、海外への影響の波及や膨大な人的・物的被害も懸念される。
東日本大震災の教訓を踏まえて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波を想定し南海トラフ地震や首都直下地震などへの対策を推進していく必要がある。
また、市町村においては地域防災計画等における津波避難に関する事項の策定の促進など、津波対策を推進していくことが必要である。

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