平成30年版 消防白書

[国際協力・国際交流]
1.国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化が進む中、これまで以上に高度な消防防災体制の構築が必要とされている。このため、人命救助、消火及び火災予防の技術や制度に関しても、これらの国々からの我が国の国際協力への期待は大きい。

このことを踏まえ、消防庁では主にアジア圏内の国において、平成19年度から国際消防防災フォーラムを開催している。これは、我が国の消防技術、制度等を広く紹介し、開催国の消防防災能力の向上を目指すものである。フォーラムは、開催国で広く消防防災関係者を集めて開催され、その内容は開催国の状況を勘案して、適宜決められる。

p280-04.png

国際消防防災フォーラム

(平成29年度マレーシア)

平成29年度のマレーシア開催に続き、平成30年度はフィリピンにおいて、同国の内務自治省消防局や地方自治体の危機管理部局の職員などの参加を得て開催され、我が国の消防団制度や予防行政、消防設備等の規格・認証制度が紹介されたほか、CBRNE*3事案対応について情報の共有が行われた。

また、フォーラムを我が国の消防防災インフラシステムの海外展開を推進する場としても活用すべく、当日は、日本企業による消防・防災製品の紹介や展示の場を設け、同国の内務自治省消防局等に加え、消防・防災製品を取り扱う現地企業等も招いた。

*3 CBRNE:化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)の頭文字をつなげた略語。

関連リンク

平成30年版 消防白書(PDF版)
平成30年版 消防白書(PDF版) 平成30年版 消防白書 (一式)  平成30年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応  特集2 最近の地震の被害と対応  特集3 消防防災ヘリコプターの安全運航体制の強化&n...
はじめに
はじめに この1年は、西日本を中心に多くの河川の氾濫や土砂崩れ等を引き起こした平成30年7月豪雨、震度6弱を観測した大阪府北部を震源とする地震、平成28年4月の熊本地震以来の震度7を観測した平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震など、風水害や地震等の自然災害が各地において発生し、多くの人的・物的被害...
特集
特集 人口減少や高齢化に代表される社会の構造の変化、風水害の多発化・激甚化や災害の多様化等、消防を取り巻く状況は常に変化しています。これらに適切に対応していくとともに、今後発生が予測されている南海トラフ地震や首都直下地震をはじめとする地震災害等に備える必要があります。 平成30年においては、大阪府北...
1.災害の概要
特集1 平成30年7月豪雨の被害と対応 1.災害の概要 (1)気象の状況 平成30年6月28日以降、北日本に停滞していた前線は、7月4日にかけ北海道付近に北上した後、5日には西日本まで南下してその後停滞した。 また、6月29日に発生した台風第7号は、東シナ海を北上し、対馬海峡付近で進路を北東に変えた...