令和元年版 消防白書

2.消防の広域化のメリット

消防の広域化のメリットとして、一般的に以下の3点が挙げられる(第2-2-1図)。

第2-2-1図 消防の広域化のメリット

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

第2-2-1図 消防の広域化のメリット

(1)初動体制の充実等による住民サービスの向上

広域化により消防本部の規模が大きくなり、消防本部全体が保有する車両等が増えることから、初動時や第2次以降の出動体制が充実するとともに、統一的な指揮の下、迅速で効果的な災害対応が可能になる。

(2)人員配置の効率化及び現場体制の充実

総務部門や通信指令部門の効率化を図り、人員を消火や救急部門に再配置することにより、不足している現場体制の強化が可能になる。また、予防部門や救急部門の担当職員の専任化を進めることにより、質の高い消防サービスの提供が可能になる。

(3)消防体制の基盤強化

財政規模の拡大による効率化により、小規模な消防本部では整備が困難であったはしご自動車、救助工作車及び消防指令センター等の計画的な整備が可能になる。また、職員数が増加することから、人事ローテーションの設定、職務経験不足の解消、各種研修への職員派遣など、組織管理の観点からも多くのメリットが期待できる。

関連リンク

令和元年版 消防白書(PDF版)
令和元年版 消防白書(PDF版) 令和元年版 消防白書 (一式)  令和元年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 G20大阪サミット及びラグビーワールドカップ2019における消防特別警戒等...
はじめに
はじめに 昨年は、令和元年8月の前線に伴う大雨や、台風第15号、台風第19号等の幾多の自然災害に見舞われ、また、7月には京都市伏見区で爆発火災が、10月には那覇市で首里城火災が発生するなど、多くの人的・物的被害が生じました。 振り返れば、平成は、阪神淡路大震災(平成7年)や東日本大震災(平成23年)...
1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年8月26日に華中から九州南部を通って日本の南にのびていた前線は、27日に北上し、29日にかけて対馬海峡付近から東日本に停滞した。また、この前線に向かっ...
2.台風第15号に伴う被害と対応
2.台風第15号に伴う被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年9月5日3時に南鳥島近海で発生した台風第15号は、発達しながら小笠原諸島を北西に進み、非常に強い勢力となって伊豆諸島南部へと進んだ。 台風は、強い勢力を保ったまま、同月9日3時前に三浦半島付近を通過し、5時前に千葉市付近に上...