令和5年版 消防白書

林野火災の現況と最近の動向

林野火災の現況と最近の動向

令和4年中の林野火災の出火件数は1,239件(対前年比12件増)、焼損面積は605ha(同184ha減)、死者数は13人(同2人増)、損害額は3億4,468万円(同1億6,826万円増)となっている(資料1-1-47)。
林野火災の出火件数を月別にみると、3月に最も多く発生しており、次いで4月、2月と、降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹く時期に多くなっている(第1-1-18図)。この原因としては、この時期に火入れが行われることや、山菜採りやハイキング等で入山者が増加することによる火の不始末等が考えられる。
規模の大きな林野火災事例としては、令和4年においては、2月に福岡県北九州市で発生し128haを焼損した火災、熊本県阿蘇郡高森町で発生し56haを焼損した火災がある。
また、令和5年*1においては、3月に福島県郡山市で発生し113haを焼損した火災、5月に長野県茅野市で発生し166haを焼損した火災がある。

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令和5年3月福島県郡山市で発生した林野火災
(福島県消防防災航空隊提供)

 

1 令和5年については速報値であり、今後、変更の可能性がある。

 

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