令和5年版 消防白書

3.情報システムの活用

(1)災害対応支援のための情報システムの導入と活用

災害発生時において、正確かつ迅速な状況判断の下で的確な応急活動を遂行すべく、消防研究センターで開発した「地震被害想定システム」(第2-10-5図)を導入している。当該システムを活用し、被害の迅速な推計、全都道府県等に対する推定結果のメール送信などを実施しているほか、平時においては災害対応訓練に活用している。

(2)統計調査系システム

行政事務の情報化に対応し、統計事務の効率化・迅速化を図るため、ハードウェア等の管理を一元化した「統計調査系システム」により次の調査を行っている。

・火災報告等調査

・防火対象物実態等調査

・救急・ウツタイン様式調査

・救助調査

・危険物規制事務調査

・危険物に係る事故及びコンビナート特別防災区域における事故報告調査

・石油コンビナート等実態調査

・消防防災・震災対策現況調査

・緊急消防援助隊登録管理

・防災・危機管理セルフチェック

消防庁では、これらのデータを迅速かつ的確に収集・整理することにより、都道府県及び消防本部への速やかな情報提供を行い、各種施策への反映を支援している。

第2-10-5図 地震被害想定システムの画面表示例

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

 

関連リンク

はじめに
はじめに 昨年は、静岡県熱海市土石流災害や8月11日からの大雨などの自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。 また、新型コロナウイルス感染症への対応として、救急隊員の感染防止対策の徹底や、ワクチン接種業務への救急救命士の活用など様々な対応が求められました。 気候変動の影響により、近年、...
1.能登半島沖を震源とする地震に係る被害及び消防機関等の対応状況
特集1 近年の大規模自然災害を踏まえた消防防災体制の整備 1. 能登半島沖を震源とする地震に係る被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 地震の概要  令和5年5月5日14時42分、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、石川県珠洲市で震度6強を観測した。 また、同日21...
2.令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号に係る被害及び消防機関等の対応状況
2. 令和5年梅雨前線による大雨及び台風第2号に係る被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和5年6月1日から3日午前中にかけて、梅雨前線が本州付近に停滞した。前線に向かって台風第2号周辺の非常に暖かく湿った空気が流れ込んだため、2日には前線の活動が活発になった。西日本から...
3.令和5年6月29日からの大雨等に係る被害及び消防機関等の対応状況
3. 令和5年6月29日からの大雨等に係る被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和5年6月28日から7月6日にかけて、活発な梅雨前線や上空の寒気の影響で、沖縄地方を除いて全国的に大雨となった。7月1日から3日にかけては山口県、熊本県及び鹿児島県(奄美地方)で線状降水帯が発...