Topics7 特殊な火災への対応
■林野火災
令和5年8月、米国ハワイ州マウイ郡において強風の影響で林野火災がラハイナの市街地などに拡大し、マウイ郡ホームページによると、死者97人(令和5年9月27日時点)などの大きな被害が発生した。
我が国においても、令和5年11月の愛媛県大洲市における林野火災をはじめ、例年千件を超える林野火災が発生しており、林野火災対策を徹底することは重要である。消防庁では、林野火災の件数が増加する春先などにおいて、入山者等に対する火災予防の広報や火気の適切な取扱いなどの林野火災予防の徹底に加え、火災発生時における空中消火の積極的な活用など、林野火災に対する警戒・早期の消火を推進している。
また、我が国で近年発生した大規模な林野火災である令和3年2月の栃木県足利市における火災を踏まえ、林野火災対策の基本的な在り方を示した「林野火災の予防及び消火活動について」(平成15年10月29日付け通知)を令和4年7月に改正し、早期の指揮体制の確立、陸上部隊や航空部隊の早期の応援要請などの消防活動の在り方について、徹底を図っている。
■トンネル火災
令和5年9月の山陽自動車道尼子山トンネルにおける車両火災では、負傷者8人が発生するとともに、車両23台が焼損し、鎮火まで約40時間を要した。
一般的に閉鎖空間であるトンネルにおける火災は、濃煙・熱気により消防活動の困難性が高いものとなっている。今回の事故においては、これらに加え、多重衝突事故による救助活動などにより一層困難性が高いものとなったが、事故車両からの救助、消火活動により、人命の確保がなされた。
消防庁としては、これを踏まえ、トンネル火災対策の再確認、消防機関と道路管理者の合同訓練の実施等について、各種会議の場などを通じ全国の消防本部に周知している。
トピックス7-1図 我が国における林野火災の月別出火件数(令和4年)
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尼子山トンネルにおける火災の様子
(赤穂市消防本部提供)
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尼子山トンネルにおける焼損車両の様子
(赤穂市消防本部提供)