Topics6 国際協力・国際交流
■国際消防防災フォーラムの開催
近年アジア諸国では、経済発展・都市化が進む中、これまで以上に高度な消防防災体制の構築が必要とされている。このため、人命救助、消火及び火災予防の技術や制度に関しても、これらの国々からの我が国の国際協力への期待は大きい。
このことを踏まえ、消防庁では主にアジア圏内の国において、「国際消防防災フォーラム」(以下、本トピックスにおいて「フォーラム」という。)を開催している。
令和4年度は、我が国の消防防災制度や製品をより幅広く周知すべく、令和5年3月に、シンガポールで、初めて複数のASEAN諸国の消防防災関係者の参加を得て、「マルチ形式」で開催した。
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消防庁によるプレゼンテーション
初の試みであった「マルチ形式」でのフォーラムには、ASEAN諸国から7か国(カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ラオス)、約90人の消防防災関係者が、日本から、消防庁以外に、在シンガポール日本国大使館、自治体国際化協会(CLAIR)シンガポール事務所、JICA、そして、消防防災関連企業が参加し、全体で約130人の出席を得て開催された。1日半にわたる開催期間中、我が国の火災予防制度や消防団制度の説明、日系企業10社による製品紹介のほか、ASEAN参加国の消防防災に関する施策や我が国で実施された救助研修の活用事例、さらには、JICAの国際協力案件形成スキームといった様々なプレゼンテーションが行われた。
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展示ブースにおける日系企業の自社製品PR
本フォーラムへの参加企業はフォーラムで築いたネットワークを商談実施等につなげており、海外展開に資するものとなっている。
■開発途上国からの研修員受入れ
消防庁では、JICAと連携し、開発途上国の消防防災機関職員を対象に「救急救助技術」研修及び「消防・防災」研修(平成25年度までは「消火技術」研修として実施)の2コースの課題別研修を、消防本部の協力の下で実施している。
現在、「救急救助技術」研修は大阪市消防局、「消防・防災」研修は北九州市消防局において技術指導を実施している。
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救急救助研修(令和4年度 大阪)
■中古消防車両等の海外寄贈
消防本部や消防団の中には、開発途上国からの要請に応じて、不用となった消防車両等の一部を無償で寄贈しているところもあり、令和4年度は22の国へ116台が寄贈されている。このような寄贈は、開発途上国の災害対応能力向上に寄与するだけでなく、我が国の「顔の見える国際協力」として効果が大きく、消防庁では関係省庁等とも連携しながら、これを推進している。
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寄贈された我が国の消防自動車
(アルゼンチン)
■その他の国際交流
消防庁では、平成14年の日韓共同開催によるサッカーワールドカップ大会、「日韓国民交流年」を契機として、「日韓消防行政セミナー」を開催し、両国の消防防災の課題等について情報共有、意見交換等を行っている。
令和5年度は、我が国において11月に開催し、「消防行政におけるDX活用」、「広域消防応援」をテーマに、積極的な意見交換等を行った。