令和6年版 消防白書

危険物行政の課題

1.官民一体となった事故防止対策の推進

危険物施設における火災事故及び流出事故の件数は、平成6年(1994年)から増加に転じ、平成19年以降は、高い水準で横ばいの状況が続いている(第1-2-1図)。
危険物施設における事故を防止するためには、事業所の実態に応じた安全対策や、危険物施設の経年劣化をはじめとする事故要因への対策を適切に講じる必要がある。
このような状況を踏まえ、関係業界や消防機関等により構成される「危険物等事故防止対策情報連絡会」において、平成28年3月、事故防止対策をより効果的なものとするため、「危険物等に係る重大事故の発生を防止すること」が目標として定められ、この目標に向けた関係業界や消防機関等の取組を取りまとめた「危険物等事故防止対策実施要領」が毎年度策定されている。
今後も、事故に係る調査分析結果等の情報共有や、各地域における取組の推進など、関係機関が一体となって事故防止対策を推進していく必要がある。

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