はじめに
昨年は、元日に令和6年能登半島地震が発生し、多くの尊い命が失われ、甚大な被害をもたらしました。5月以降は、大雨や台風などによる被害が日本各地で生じたことに加え、8月には宮崎県日向灘を震源とする地震が発生し、南海トラフ地震臨時情報が初めて発表されました。また、9月20日からの大雨では、石川県能登地方を中心に、再び多くの人的・物的被害が生じました。
気候変動の影響により激甚化・頻発化する風水害や、切迫する大規模地震・津波災害、火山災害等に備えるため、防災・減災、国土強靱化の取組を進めることが重要です。また、令和5年中の全国の救急出動件数や搬送人員が集計を開始した昭和38年以降最多を記録するなど、救急業務は厳しい状況に置かれています。このような中で、国民の生命・財産を守る消防の果たす役割は益々増大しています。
令和6年版消防白書では、特集として、令和6年能登半島地震等への対応のほか、近年の大規模災害等への対応、緊急消防援助隊の充実強化、増大する救急需要への対応、消防団を中核とした地域防災力の充実強化、消防防災分野におけるDXの推進、国民保護施策の推進及び新技術の進展等を踏まえた消防防災行政の対応について記載しています。
また、消防における女性の活躍推進に向けた取組や輪島市大規模火災等を踏まえた感震ブレーカーの普及推進などのトピックスを掲載しています。
この白書が、消防防災に対する国民の皆様のご理解を深め、国や地方公共団体だけではなく、住民、企業も含めた総合的な消防防災体制を確立するに当たって、広く活用いただけることを願っています。
なお、検討状況や統計資料等については、特に断りがない限り、令和6年10月末の状況を基に記載しています。
令和7年1月