1.火災

1.はじめに
私たちの財産も生命も、築き上げてきた何もかもを焼き尽くす火事。

放火という悪質な犯罪で、一瞬にしてあなたの大切なものすべてを奪うことがあります。

その他、タバコ、てんぷら鍋の過熱、たき火、火あそびなど、様々なきっかけで火災は発生します。

この動画では、火災の傾向を学ぶとともに、出火の原因別に防火のポイント、林野火災の原因と対策、住宅防火対策、火災発生時の行動について考えていきます。火災の基礎的な知識を身につけましょう。

2.火災の傾向
日本では、年間およそ4万件の火災が発生しています。その内のおよそ6割が建物火災で、さらにそのおよそ6割が住宅火災となっています。住宅火災は、私たちの暮らしに最も身近な火災です。日頃の備えが、命と財産を守る鍵となります。このほか、林野火災いわゆる山火事といわれるものや車両・船舶・航空機関係の火災などがあります。またこれらの分類に含まれないその他の火災として、空き地での火災、田畑、道路、河川敷、ごみ集積所などの火災もあります。

主な出火の原因は、たばこ、たき火、こんろ、電気機器、放火などです。

建物火災では、年間1,199人(令和6年中)の人が亡くなっています。その死因の二大原因は、火傷、一酸化炭素中毒・窒息となっています。また、住宅火災で亡くなった人を年齢別にみると、65歳以上の高齢者の占める割合が7割以上を占めています。今後、さらに高齢化が進むことを考えると、住宅火災の発生と被害を低減するため、高齢者を意識した住宅防火対策が必要です。

3.出火原因別防火のポイント
それでは、主な出火原因別の防火ポイントをみていきましょう。令和6年中、全火災の、およそ1割、3,058件がタバコによるものです。ふとんなどに落ちたタバコによって、数時間たってから燃え出すこともあります。寝タバコやタバコの投げ捨てはやめましょう。灰皿には、いつも水を入れておきましょう。吸殻は、完全に消えたことを確認してこまめに捨てましょう。

たき火による火災は、令和6年中で全火災のおよそ1割、2,781件です。

風の強い日には、たき火をしないようにしましょう。たき火をするときには、必ず消火用水を用意します。
その場を絶対に離れないようにします。また、絶対に子どもだけでたき火をさせてはいけません。たき火が終わったら完全に消すようにしましょう。

こんろからの出火も、令和6年中、全火災のおよそ1割、2,718件です。例えば、てんぷらを揚げているとき、電話が掛かってきたり、不意な来客があってその場をはなれている間に油が過熱して発火することがあります。
てんぷらを揚げるときなど、火を扱うときはその場を離れないようにし、離れるときは必ず火を消します。

できるだけ、調理油過熱防止装置のついたこんろを使いましょう。こんろの周囲には燃えやすいものを置かず、いつも整理整頓をしましょう。

放火は、その疑いのあるものを含めると、令和6年中は全火災の出火原因のおよそ1割、3,904件です。発火源別にみると、ライターによるものが1,090件と最も多くなっています。

放火対策としては、次のことに注意しましょう。家のまわりに燃えやすいものを置かないようにしましょう。ゴミは収集日の決められた時間に指定場所に出しましょう。

車やオートバイのカバーには、防炎製品をおすすめします。

物置などには必ず鍵をかけておきましょう。

不審者を寄せつけないよう、外灯をつけて、できるだけ明るくしましょう。

火あそびによる火災は、令和6年中、全火災の約1%です。なかでも多いのが、子どもによる火遊びです。そこで、普段から子どもたちに火の怖さを徹底して教えましょう。マッチやライターは子どもの手の届くところに置かないようにします。

例えば、花火をする際も必ず大人が付き添い、消火用水の用意を忘れずに。そして、最後に火の始末をきちんと行いましょう。

ストーブによる火災は、令和6年中で全火災の約3%弱、1,016件です。冬は要注意のストーブ。衣類など燃えやすいものを近づけないことが一番です。ストーブをカーテンや家具に近づけたり、ストーブの上などで洗濯物を乾かしたりしてはいけません。また、ストーブの近くにスプレー缶を置くのも厳禁です。

給油は完全に火が消えたことを確認してから行います。できれば対震自動消火装置付きのものを使いましょう。

4.林野火災の原因と対策
林野火災は、たき火や火入れといった野焼きのほか、たばこの不始末など人の手による出火原因が多く、ひとたび発生するとみるみるうちに大規模化することがあり、人の命や家屋等への危険が生じるなど、甚大な被害をもたらすことがあります。それを防ぐため、林野での火気の取扱いについて学びましょう。

例年、2月から5月頃にかけて、多く発生する傾向にある林野火災。

この季節に多く発生する一因として、空気が乾燥し、強風が吹き、火入れが行われることや、山菜取りやハイキング等で入山者が増加することによる火の不始末等があると考えられています。また、草や枝などの焼却が火災の原因となることもあります

林野火災を防止するためには次の注意点を徹底してください。
・周囲に燃えやすいものがないことを確認
・消火用の水を準備
・火から目を離さない
・使用後は完全に消火
・林野火災警報時のたき火等は禁止
・林野火災注意報時のたき火等を避ける
・火を使う場所でのルールを守る
・たばこの投げ捨てや火遊びは厳禁

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では廃棄物の焼却は原則禁止されており、「森林法」では森林又は森林の周囲1kmでの火入れには市町村長の許可が必要とされています。また、市町村の火災予防条例では、たき火など屋外での火の取り扱いには消防機関への届出が必要となる場合があります。

また、今までは大丈夫だったなどの自分の経験を過信せずに必ず地元の消防や自治体の指導に従うようにしてください。

山火事はひとたび拡大してしまうと、完全に消すための消火活動に多くの人員や時間がかかります。さらに、貴重な森林資源が焼失してしまい、それにより土砂流出等の二次災害の危険性が高まることや、自然回復には長い年月と多くの労力を要します。火事を予防するためには、何よりも一人一人の注意や心がけが大切です。

5.住宅防火対策の推進
住宅における防火安全の向上を図るには、住宅用防災機器の取り付けや防炎品の使用が効果を発揮します。

火災の発生をより早く知るためには、住宅用火災警報器の設置が効果的です。住宅用火災警報器は、煙や熱を感知して警報音で知らせる設備で煙式と熱式があります。

寝室や階段などには、煙式、キッチンやガレージには、熱式の設置が適しています。また、住宅用火災警報器は、、火災とガス漏れを検知する警報器もあります。

平成16年の消防法改正により、戸建住宅や共同住宅について、自動火災報知設備等が設置されているものを除き、住宅用火災警報器等の設置が義務づけられました。更に設置から10年を目安に電池や本体の交換を推奨しています。

次に、消火器を設置しましょう。

誰にでも使いやすい住宅用消火器があります。

この消火器はメンテナンスが不要で、おおむね5年使えるすぐれものです。

その他、エアゾール式簡易消火具も簡単に消火できる器具です。消火器には、性能を表す適応表示マークがついています。消火器のタイプを選定して、備えておきましょう。

その際、消火器の使用期限も注意してください。

熱又は煙を感知し、自動で火災を消火する住宅用の自動消火設備があります。

水道管に直結させて水で消火する住宅用スプリンクラー設備や、消火薬剤を放出して消火する住宅用自動消火装置があります。

直接火に触れても容易に燃え上がらず、着火しても燃え広がりにくい防炎品を使用しましょう。見た目や手ざわりは普通のものと変わりなく、肌に触れたり、幼児がなめたりしたときの安全もチェックされています。
防炎品には、カーテン、衣類、寝具などがあります。

これまで説明しました警報器、消火器具、防炎品等には、住宅防火安心マークがついています。

住宅防火安心マークは、火災時の早期発見や消火・拡大防止など住宅防火対策等に効果的な機能を持った機器や製品につけられているマークです。

住宅防火安心マークの対象品は、次の品目があります。

さきほど紹介しました住宅用火災警報器にも住宅防火安心マークがついています。

住宅用消火器はカラフルで、てんぷら油火災やストーブ火災などに適用し、初期消火にもっとも威力を発揮します。

エアゾール式簡易消火具は、操作が簡単なスプレー式です。

住宅用自動消火装置は、火災が発生したことを感じると、ノズルから自動的に消火用の薬剤を出して火災を消火します。住宅用スプリンクラー設備は、火災が発生したことを感じると、ノズルから自動的に水道水を出して消火します。

てんぷら油消火用簡易装置は、台所での油火災を自動感知すると、消火薬剤を放出して消火し、同時に警報を発信して火災を知らせます。 「火災発見」・「消火」・「警報」の1台3役を果たすものもあります。

シーツ、枕カバーなどの防炎寝具類は、炎に触れても燃え広がらず、自己消火性があります。

エプロンなどの防炎衣服類は、炎に対して、強い抵抗力を持っているため、炎と接した部分は焦げますが、着火しにくく、燃え上がることはありません。

カーテンなどの防炎カーテン・布製ブラインドは、炎を遮断したり、火災の広がりを防ぎます。

カーペットなどの防炎じゅうたんなどは、着火しにくく、火災の広がりを防ぐために大きな効果を発揮します。

以上の住宅防火安心マークのついた器具のほか、地震や誤って倒してしまったときに、自動的に消火する「対震自動消火装置付き」器具や機器内部の温度が規定以上になったとき、自動的に消火する「過熱防止装置」などが装備されたガスストーブなどの安全暖房器具があります。

また、使用中に火が消えた場合、ガスの供給を自動的に止める「立ち消え安全装置」や「調理油過熱防止装置」などが付いたガスこんろなどの安全調理器具があります。「安全装置」や「安全機能」を装備した器具を使用しましょう。

6.火災発生時の行動
最後に、万が一火が出たときには、どのように行動すればよいのでしょうか?

初期消火、避難などについては、各動画でより詳しく学びましょう。

チャプター

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