電気安全
1.はじめに

私たちの生活になくてはならない電気。家庭では照明から洗濯機、冷蔵庫、掃除機など、さらに職場ではコンピューター、コピー機、エレベーター、工場の工作機械など、あらゆるものに電気が使われています。

しかし、それだけに電気による事故もあとをたちません。電気事故の危険性についてきちんと理解し、電気を正しく安全に使いたいものです。

このレッスンでは、基礎知識から始め、身の回りの電気設備を中心に、停電や電気災害、地震の際の対応などについて考えていきます。


事故原因なども学習しながら、もっとも身近なエネルギー「電気」と、上手につきあっていきましょう。

まず、家庭の電気はどこからやってくるのでしょうか。

発電所から送られる電気は、送電途中での損失を低減するために変圧器で電圧を上げ、ケーブルや電線などを通って運ばれます。

やがて高圧の電気は変電所で再び電圧を下げてから各家庭に届き、使用量を計る電力量メーターを通って、「分電盤」に送られてきます。そこから電気機器につながるコンセントまで来ているわけです。

20Aで契約している家庭なら、2000Wまで使用できます。

しかし、まれに故障や経年劣化、誤った使い方により電気製品や屋内配線から電気が漏れる場合があります。これが「漏電」です。漏電は感電や火災の原因になります。

電気が流れている部分に人がふれると、電気が身体を通過して地面へ流れることがあります。それが感電です。つまり人体が一瞬にして電気回路の一部になってしまうのです。とくに身体がぬれているときは電気が流れやすく、大変危険です。

感電の度合いは、ビリッと感じて驚く程度から、致命的な障害や死にいたるケースまであります。

そのショックは電流の大きさと通電時間によって決まります。

あくまでも目安ですが...

10 mA。耐えられないほどビリビリします。

20 mA。筋肉の硬直が激しく、呼吸も困難となります。 引き続き電気が流れると、ついには死にいたります。

50 mA。たとえ短時間でも生命が相当危険な状態になります。

100mA。致命的な障害を起こします。

では、電気災害を防ぐために、私たちはどうすればよいのでしょうか。

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