地震による家具の転倒を防ぐには

「壁の桟と家具の桟をL型金物で止めるのね」

家具の固定方法2

家具を置きたい位置の壁のなかに、しっかりとした桟を見つけることができたら、いよいよ金具の取り付けにかかります。

壁への固定はL型金物で

固定のための金具にはL型金物と木ネジを用い、L型金物を壁の桟に対して直角に家具の上部に置き、木ネジでとめます。 ただし、木ネジは壁の桟に届かないと効果がないので、ボードの厚みを考慮する必要があります。 しかも、家具の上部ならどこでも良いというわけではなく、両端部分の、しかも家具自体の桟が確実に入っている位置に金具を取り付けましょう。家具の桟が入っていない位置では、金具を取り付けても確かな効果は得られません。 また、一般的に壁の縦桟は30cmあるいは45cmの間隔で入っていますから、家具の幅や置きたい場所によってはうまくあわない場合があります。 そこで、家具の位置を自由に決められるよう、家具の高さに合わせて、横木を壁の桟に取り付けます。その横木に、L型金物で家具を固定するわけです。

積み重ね家具は上下を連結

上下に積み重ねて使う家具は最上部だけを壁の桟に固定しても、重ねた部分が地震で揺れるとずれてしまい、前にせり出して転倒する危険があります。 面倒でも家具の側面などで上下を連結したうえで最上部を壁の桟に固定するか、上下の家具それぞれを壁の桟に固定すれば確実です。

やむを得ない場合は天井で家具を支える

ところで、壁のなかに桟が入っていないために、家具を固定できない壁があります。この場合は、設計図などで天井の強度を確認のうえ、家具を天井で支える方法が考えられます。 たとえば、高さ調整式の上置型すき間埋め収納ユニット。これは、高さを調整しながら、突っ張った広い面で天井と家具との間を支えるタイプです。 また、衣装ケースなどを家具の上に置く方法もあります。この場合は、ゴムシートなどを敷いてすべらないように注意することと、天井との間にすき間が生じないよう新聞紙などをしっかりと挟み込まないと効果はありません。 なお、家具と天井の間を広い面ではなく点で支える、いわゆる突っ張り棒タイプのものは、家具と天井との間が大きく空いている場合や、奥行きのない家具に使用しても、あまり確かな効果を期待できない場合があるので、注意しましょう。やむを得ず使う場合は、図のように、家具の両端の奥に取り付けます。

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