平成20年版 消防白書

第5節 救助体制

1 救助活動の実施状況

(1)救助活動件数及び救助人員の状況

消防機関の行う人命の救助とは、火災・交通事故・水難事故・自然災害や機械による事故等から、人力や機械力等を用いてその危険を排除し、安全な場所に救助する活動をいう。
平成19年中における全国の救助活動実施状況は、救助活動件数5万2,183件(対前年比1,436件減、2.7%減)、救助人員5万6,039人(同689人減、1.2%減)である(第2-5-1表、附属資料37)。

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(2)事故種別救助活動の状況

救助出動人員(救助活動を行うために出動したすべての消防職団員をいう。)は、延べ134万7,162人である。消防職員は、延べ119万5,229人で、うち交通事故が32.1%、火災が17.8%である。一方、消防団員は、延べ15万1,933人で、うち火災が77.8%である。
次に、救助活動人員(救助出動人員のうち実際に救助活動を行った消防職団員をいう。)は、延べ54万6,035人であり、救助活動1件当たり10.5人が従事したこととなる。また、事故種別ごとの救助活動1件当たりの従事人員は水難事故の16.5人が最も多く、次に火災の16.1人となっている(第2-5-2表)。

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