平成20年版 消防白書

トピックスIV 中国四川省大地震災害における国際消防救助隊の活動について

1 派遣決定から出発まで

平成20年5月12日(月)15時28分頃(現地時間14時28分頃)、中国四川省を震源地とするマグニチュード8.0(中国地震局発表)の大規模な地震が発生した。この地震では、中国四川省を中心に死者・行方不明者あわせて8万人を超える甚大な被害が発生した。
消防庁では、地震発生当初から外務省国際協力局(以下、「外務省」という。)及び独立行政法人国際協力機構(以下、「JICA」という。)と緊密に連絡・協議を進めていたが、5月15日(木)中国政府からの支援要請に応じて国際緊急援助隊救助チームの派遣にかかる外務大臣からの協議を受け、12時20分、消防庁長官は正式に国際消防救助隊の派遣を決定し、当日の出動第1順位に登録されている東京消防庁、名古屋市消防局、川崎市消防局、市川市消防局及び藤沢市消防本部に派遣準備を要請した。同日17時05分までに国際消防救助隊17人は成田空港に集結し、国際緊急援助隊救助チームとなる他のメンバー43人(外務省、JICA、警察庁、海上保安庁等)と合流して国際緊急援助隊結団式を実施後、国際消防救助隊発隊式を行った。

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第1陣となった11人(総務省消防庁1人、東京消防庁5人、名古屋市消防局3人、市川市消防局2人)は同日18時30分頃北京に向けて出発し、翌5月16日(金)13時17分には、第2陣6人(東京消防庁1人、川崎市消防局3人、藤沢市消防本部2人)が四川省の成都に向けて出発した。

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