平成21年版 消防白書

第7節 原子力災害対策

[原子力災害等の現況と最近の動向]

1 東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所3号機所内変圧器火災の概要

平成19年7月16日に、新潟県中越沖地震(最大震度:震度6強)が発生し、それに伴い東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所3号機所内変圧器火災(以下「東電変圧器火災」という。)が発生した。
出火原因については、3号機所内変圧器の絶縁油が地震の影響により漏えいし、その絶縁油に電気配線のショートによる火花が着火したものと推定される。
この火災による人的被害はなく、また、原子炉建屋など他の施設への延焼もなく、外部環境への放射能の影響もなかったが、自衛消防体制の不備等の教訓を踏まえ、消防庁では経済産業省原子力安全・保安院と連携し、消防体制の強化のための措置を講じた(P.91参照)。

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