平成22年版 消防白書

1 住宅防火対策の現況

平成21年中の放火を除いた住宅火災の件数(1万4,778件)は、建物火災の件数(2万5,324件)の約6割となっている。また、放火自殺者等を除く住宅火災による死者数(1,023人)は、建物火災による死者数(1,146人)の約9割となっており、過去10年間以上この傾向で推移している。
さらに、住宅火災による死者の6割以上が65歳以上の高齢者であることを考えると、今後の高齢化の進展とともに、住宅火災による死者数の増加が懸念される。
平成16年の消防法改正により、全ての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられている。
新築住宅については平成18年6月1日から既に義務化され、既存住宅についても、平成23年6月には全国で義務付けられる。消防庁では平成20年12月に「住宅用火災警報器設置推進会議」を設置し、同会議において決定された取組方針を踏まえ、全国の消防本部等において、平成23年6月までの設置徹底を図るため、消防団、婦人(女性)防火クラブ及び自主防災組織等と協力して、広報、共同購入の推進等の各種取組を強力に展開しているところである(平成22年6月時点での全国の普及率は58.4%となっている。住宅防火対策の推進の課題についてはP.53参照。)。

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