2 災害時要援護者の避難支援対策の推進
平成21年度末(平成22年3月31日)現在における各市町村の災害時要援護者の避難支援対策の取組方針等(全体計画など、災害時要援護者名簿及び個別計画の策定等状況)をみると、全体計画などを策定済みの市町村数の割合は63.1%(1,104団体)となっており、平成23年3月末までに策定見込みである市町村数を合わせると、96.9%(1,695団体)となっている。一方、民生委員、自治会・町内会等が災害時に安否確認等に活用する「災害時要援護者名簿」の整備を進めているのは88.7%(1,552団体)であり、避難支援者と要援護者を関連づけ、災害時に要援護者一人ひとりの避難支援に活用される「個別計画」の作成を進めているのは72.7%(1,273団体)である(第1―5―3表)。
市町村における災害時要援護者の避難支援の取組方針等の策定を促進するほか、実効性のある災害時要援護者の避難支援対策について、関係機関と連携しながら、取り組んでいく必要がある。
局地的大雨や集中豪雨に備えて
近年、「集中豪雨」や「局地的大雨」による災害が注目されています。
「集中豪雨」とは、梅雨前線の停滞や台風の接近などを原因として、同じ場所に数時間にわたって大量の雨を降らせるもので、総雨量が数百mmに達することがあります。このような大雨は、しばしば河川の氾濫や土砂災害を引き起こします。
一方、「局地的大雨」は、夏場などに大気の状態が不安定となって積乱雲が発達し、短時間に局地的に激しい雨を降らせる現象のことで、数十mm程度の総雨量となります。こうした局地的大雨は、極めて局地的に雨を降らせ、かつ雨雲の発生から降雨までの時間が短いため、「ゲリラ的に大雨が降る」という意味で一般に「ゲリラ豪雨」と呼ばれることがありますが、現在の予測技術では降雨の場所や時刻、雨量を事前に正確に予測することは困難です。
局地的大雨は集中豪雨ほど降水の総量は多くありませんが、短時間のうちに数十mmの大雨が局地的にもたらされるため、一気に押し寄せる大量の雨水を処理できないおそれがある中小河川や下水道の急な増水や、アンダーパス等の低地の浸水に特に注意が必要です。
局地的大雨や集中豪雨による人的被害を軽減させるためには、情報をできるだけ早く把握し、早めの避難を行うことが重要です。国土交通省の防災情報提供センターのホームページ(http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/index.html)では、全国の雨量やレーダー情報(雨の強さ)、河川の水位の観測値をリアルタイムで知ることができます。また、気象庁のホームページ(http://www.jma.go.jp/jma/index.html)では、1時間先までの予想降水量(レーダー・降水ナウキャスト)、現在発表されている気象警報や土砂災害警戒情報などの様々な防災気象情報を確認することができます。