[海上災害対策]
1 海上災害の現況と最近の動向
平成21年中の主要港湾(1隻の総トン数が1,000t以上のタンカーが平成21年1月1日から平成21年12月31日までの間に入港した実績を有する港湾をいう。)114港における海上災害で消防機関が出動したものは45件あり、このうち火災によるものが20件(全体の44.4%)、油の流出によるものが9件(全体の20.0%)ある。
また、事故船舶の規模別では、1,000t未満の船舶が25件で全体の55.6%を占めている(第1―8―2表)(平成21年中の船舶火災件数は、第1節(P.40)参照)。

近年の主な船舶火災としては、平成14年10月に長崎港で建造中の客船「ダイヤモンド・プリンセス」において、ぎ装工事中に出火し、出火から鎮火まで36時間以上を要した火災や、平成14年11月に伊豆大島において座礁していたバハマ船籍の自動車運搬船「ファルヨーロッパ号」で出火、大量の煙が発生したため、付近住民が一時的に自主避難をする事故が発生している。
油の流出災害としては、平成14年12月に茨城県日立港において、北朝鮮船籍の貨物船「チルソン号」が座礁し燃料油が流出する事故が発生している。