平成22年版 消防白書

第5節 救助体制

1 救助活動の実施状況

(1)救助活動件数及び救助人員の状況

消防機関の行う人命の救助とは、火災・交通事故・水難事故・自然災害や機械による事故等から、人力や機械力等を用いてその危険状態を排除し、被災者等を安全な場所に搬送する活動をいう。
平成21年中における全国の救助活動実施状況は、救助活動件数5万3,114件(対前年比181件減、0.3%減)、救助人員5万4,991人(同760人増、1.4%増)である(第2―5―1表、附属資料41)。

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このうち、自然災害の救助活動件数は233件(前年102件、対前年比131件増)、救助人員は833人(前年382人、対前年比451人増)で大きく増加した。これは、梅雨前線の活動が活発化し、中国地方や九州北部地方で局地的な大雨となったほか、台風第9号等の上陸に伴って広い範囲で大雨となり、全国的に大きな被害が発生したことによる。

(2)事故種別救助活動の状況

救助出動人員(救助活動を行うために出動したすべての消防職団員をいう。)は、延べ129万6,614人である。このうち、消防職員は延べ116万3,464人で、うち交通事故が30.1%、火災が17.3%であり、消防団員は延べ13万3,150人で、うち火災が75.1%である。
次に、救助活動人員(救助出動人員のうち実際に救助活動を行った消防職団員をいう。)は、延べ54万4,616人であり、救助活動1件当たり10.3人が従事したこととなる。また、事故種別ごとの救助活動1件当たりの従事人員は自然災害の18.0人が最も多く、火災が15.3人となっている(第2―5―2表)。

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