平成22年版 消防白書

トピックスII 消防と医療の連携の推進~傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準に基づく救急搬送・受入~

1 消防法の改正

平成18年から平成20年にかけて妊婦の救急搬送事案など傷病者を受け入れる医療機関が速やかに決まらない事案(以下「受入医療機関の選定困難事案」という。)が発生し、受入医療機関の選定困難事案を解消することが喫緊の課題となったことを直接の契機として、消防法の改正が行われた(平成21年10月30日施行)。

(1)実施基準の策定

消防機関による傷病者の搬送及び医療機関による傷病者の受入れの実施に関する基準(以下「実施基準」という。)を都道府県が策定することとしている。

(2)実施基準に関する協議等を行うための協議会の設置

消防機関と医療機関が同じテーブルについて連携し、実施基準を策定、変更するための協議や、救急搬送及び受入れの実施に関する連絡調整を行うための協議会を設置することとしている。
消防庁では、実施基準に基づく救急搬送及び受入れが円滑に実施されるよう、厚生労働省と連携し、都道府県に対して、「傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準の策定について」(平成21年10月27日消防庁次長・厚生労働省医政局長通知)の発出により策定に必要な情報提供等の支援を行っているところである。

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