トピックスVI 屋外タンク貯蔵所の保安検査の周期についての調査検討
1 屋外タンク貯蔵所の保安検査とは
石油類など液体の危険物を貯蔵する陸上の屋外タンク貯蔵所(以下「タンク」という。)のうち、1万kl(キロリットル)以上の容量を持つものは、8年(保安のための措置がとられた安全性の高いものは10年又は13年)ごとに、タンクを空にして底部を検査することになっている(保安検査)。タンクの中には、容量が10万kl(ドラム缶50万本分に相当。直径80m程度、高さ20m程度。)以上のものも多くある(図1)が、このような大型タンクであっても、その底部は、厚いところ(アニュラ板)で21mm、薄いところ(底板)で12mm程度の鉄の板でできており、多数の板を溶接でつなぎ合わせて建設されている(図2)。市町村長等*1は、保安検査の際にタンク底部の板が腐食して薄くなっていないか、溶接部に欠陥が生じていないか等を検査し、安全性を確認している。この検査制度は、昭和49年(1974年)に発生し瀬戸内海を広範囲に汚染した岡山県倉敷市水島の製油所からの重油流出事故(タンク底部の溶接線が破断して重油42,888klが流出し瀬戸内海の約3分の1を汚染した(写真1)。)を契機に昭和51年(1976年)に規定されたものである。
*1 市町村長、都道府県知事又は総務大臣


