2 流出
危険物施設における平成22年中の危険物の流出事故の発生件数は平成20年から、3年連続で減少したが、流出事故件数の最も少なかった平成6年(1994年)と比較すると、危険物施設数は減少しているにもかかわらず、約2倍の件数となっている。流出の主な要因として、危険物施設における腐食等劣化、操作確認不十分、監視不十分等を挙げることができる。
(1) 危険物施設における流出件数と被害
平成22年中の危険物施設における危険物の流出事故の発生件数(火災に至らなかったもの)は357件(対前年比3件減)、損害額は4.7億円(対前年比0.1億円増)、死者はなく、負傷者は12人(対前年比2人減)となっている(第1-2-7図)。

また、危険物施設別の流出事故の発生件数をみると、一般取扱所が最も多く、次いで給油取扱所、屋外タンク貯蔵所の順となっている(第1-2-8図)。

危険物施設における流出事故のうち、99.4%が石油製品を中心とする第4類の危険物の流出となっている。これを品名別にみると、第2石油類(軽油等)、第3石油類(重油等)、第1石油類(ガソリン等)、第4石油類(ギヤー油等)の順となっている(第1-2-9図)。

(2) 流出事故の約4割は腐食等劣化が原因
平成22年中に発生した危険物施設における流出事故の発生原因をみると、人的要因が42.1%、物的要因が50.5%、その他の要因が3.4%となっている(第1-2-10図)。

流出事故の発生原因をみると、腐食等劣化によるものが129件(対前年比20件増)と最も多く、次いで維持管理不十分によるものが43件(対前年比11件増)、操作確認不十分によるものが38件(対前年比18減)となっている(第1-2-10図)。
(3) 無許可施設における流出事故
無許可施設における平成22年中の流出事故の発生件数は6件(対前年比2件増)、死者、負傷者は発生していない。
(4) 危険物運搬中の流出事故
平成22年中の危険物運搬中の流出事故の発生件数は13件(対前年比4件減)であり、死者はなく負傷者は1人(対前年比6人減)となっている。