平成23年版 消防白書

2 救助活動の実施体制

(1) 救助隊数及び救助隊員数

救助隊*2は、消防学校における救助活動に関する専門的な教育(140時間)を受けた隊員、救助活動に必要な救助器具及びこれらを積載した救助工作車等によって構成される。

*2 救助隊:人命の救助に関する専門的な教育を受けた隊員で編成され、救助器具を積載した救助工作車等で出動し救助活動を行う消防隊で、全消防本部に設置される。なお、人口10万人以上の消防常備市町村には、救助隊の編成、装備及び配置の基準を定める省令(昭和61年自治省令第22号。以下「省令」という。)に基づき、特別救助隊が設置される。また、省令により、中核市等の消防常備市町村は、1以上の特別救助隊を高度救助隊とし、東京消防庁及び政令市は、1以上の高度救助隊を特別高度救助隊とすることとされている。

救助隊は、平成23年4月現在、773消防本部に1,502隊設置されており、救助隊員は2万5,604人となっている。1消防本部当たり1.9隊の救助隊が設置され、1隊に17.0人の救助隊員が配置されていることとなる。

(2) 救助隊が保有する救助器具

救助隊が保有する救助器具には、油圧スプレッダーなどの重量物排除用器具、油圧切断機などの切断用器具及び可燃性ガス測定器などの検知・測定用器具などがあり、発生が懸念されている大規模地震災害やテロ災害の発生に備えて、より高度かつ専門的な機能が必要とされている(第2-5-3表)。

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消防庁としては、救助工作車及び救助器具等について、緊急消防援助隊設備整備補助金及び地方交付税措置を講じることなどにより、その整備の促進を図っている。

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