3 災害調査活動及び火災・危険物流出事故の原因調査活動
消防研究センターでは、東日本大震災で発生した市街地火災や石油コンビナート、危険物施設、市町村役場、消防庁舎等における被害の実態を把握し、今後の地震・津波対策に役立てるため、現地被害調査を行った。
市街地火災については、津波によって被災した岩手県沿岸から福島県沿岸にかけて発生した広域火災を調査対象の中心に据え、岩手県宮古市田老地区、山田町、大槌町、宮城県気仙沼市、石巻市、名取市閖上(ゆりあげ)地区、福島県いわき市などで起きた火災について、出火の状況や延焼範囲を現地調査した。
石油コンビナートや危険物施設の被害については、千葉県内と宮城県内の製油所で発生した大規模な火災のほか、岩手県から茨城県にかけての太平洋沿岸、東京湾岸、山形県内、新潟県内の各地に立地する屋外貯蔵タンク(石油タンク)等の危険物施設に発生した津波又は地震動による被害の状況を現地調査した。
市町村役場、消防庁舎等における被害については、岩手県釜石市、大槌町、宮城県石巻市などで役場や消防庁舎が津波で受けた被害の状況を現地調査した。
これらの現地被害調査の結果は、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の被害および消防活動に関する調査報告書(第1報)」として報告書にとりまとめ、消防研究センターのホームページで公表した。
また、消防研究センターでは、上述の千葉県内の製油所で発生した火災について、消防法(昭和23年法律第186号)に基づく消防庁長官の火災原因調査を、宮城県内の製油所で発生した火災と重油の流出については、所轄する消防本部からの技術支援依頼に基づいて火災原因調査と危険物流出事故の原因調査を行っている。