3 消火活動
東日本大震災においては、宮城県気仙沼市で津波による流出油、漂流物、船舶、がれきを経路に次々と延焼拡大し、山林にまで延焼する火災が発生するなど、被災地域の数カ所において大規模な火災が発生した。
各地で発生した火災に対し、消防本部及び消防団による消火活動が実施されたが、電話回線途絶による覚知の遅れや、広範囲に及ぶ道路の陥没・亀裂等の多くの障害が発生するとともに、津波による大量のがれきや水没等の影響で火災現場へ出動しても火点に近づけない状況も発生した。また、地震による断水から消防水利の確保が困難となり、河川や防火水槽からがれきの上を遠距離送水する消火活動を強いられた。
さらには、度重なる余震や津波警報により消火活動を中断することを余儀なくされたため、消火活動は困難を極めたが、消防本部と消防団が協力し、応援部隊が到着するまでの間、限られた消防力を駆使し、懸命の消火活動が実施された。
