平成23年版 消防白書

2 消防車両等の支援

東日本大震災により、消防本部及び消防団において、消防庁舎、消防団詰所、消防車両等が大きな被害を受けたところである。
これら施設・設備の災害復旧については、平成23年度補正予算(第1号及び第3号)により財政措置が講じられたところであるが、復旧・整備が完了するまでの間、被災地の消防力を補完するため、消防車両等について、次のような支援が行われたところである。

(1) 被災地の消防本部への支援

全国消防長会では、被災地近辺の消防本部の消防車両等を被災地の消防本部に譲渡するための事務調整を行うこととし、8月には、被災地から要望のあった消防ポンプ自動車等28台について、整備・点検等を行ったうえで、譲渡を完了した。
このほか、4月には、消防ポンプ自動車等20台が、消防本部相互間で直接調整が図られ、迅速に譲渡がなされている。

(2) 被災地の消防団への支援

(財)日本消防協会では、消防庁及び全国各地の消防団等と連携し、消防ポンプ自動車等71台、小型動力ポンプ10台の整備・点検等を行ったうえで、被災地の消防団へ無償譲渡した。
このほか、消防団相互間で多数の車両・資機材の無償譲渡が実施されている。

関連リンク

はじめに
はじめに 我が国の消防は、昭和23年に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする自治体消防制度が誕生して以来、関係者の努力の積み重ねにより着実に発展し、国民の安心・安全確保に大きな役割を果たしてきました。 本年は、3月11日に発生した東日本大震災によって、死者・行方不明者併せて約2万人という甚大な...
第1節 本震
第I部 東日本大震災について 第1章 地震・津波の概要 第1節 本震 平成23年3月11日14時46分、三陸沖(北緯38度1分、東経142度9分)の深さ24kmを震源として、我が国観測史上最大のマグニチュード9.0*1の地震が発生した。この地震により宮城県栗原市で震度7を観測したほか、宮城県、福島県...
第2節 余震等
第2節 余震等 気象庁によると、東北地方太平洋沖地震の余震は、岩手県沖から茨城県沖にかけて、震源域に対応する長さ約500km、幅約200kmの範囲に密集して発生しているほか、震源域に近い海溝軸の東側、福島県及び茨城県の陸域の浅い場所で発生している(第1-2-1図)。  これまでに発生した余震は、最大...
第1節 人的被害
第2章 災害の概要 第1節 人的被害 東北地方太平洋沖地震及びその後の余震は、地震の揺れ及び津波により東北地方の沿岸部を中心として、広範囲に甚大な被害をもたらした。 被害の中でもとりわけ人的被害については、死者16,079名、行方不明者3,499名(11月11日時点)という、甚大な被害が発生した(...