2 平成23年度補正予算(第3号)
平成23年7月29日に東日本大震災復興対策本部において決定された「東日本大震災からの復興の基本方針」を踏まえ、消防職団員に対する賞じゅつ金、被災地における消防防災設備の復旧支援をはじめ、消防防災通信基盤の緊急整備、緊急消防援助隊の機能強化、消防団員の安全対策の推進等を図るため、平成23年11月21日に成立した平成23年度補正予算(第3号)において、338億円の予算措置を講じた(第4-2-2表)。

(1) 補正予算(第1号)の積増しなど
○ 消防職団員に対する賞じゅつ金(51億円)
東日本大震災に際し、一身の危険を顧みることなく職務を遂行して傷害を受け、そのために死亡し、又は障害の状態となった消防職団員に対し、賞じゅつ金を支給するものである。
○ 消防防災設備災害復旧費補助金(43億円)
「東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律」に基づき、被災地の消防防災設備の復旧を緊急に実施するために必要となる経費を補助金として被災地方公共団体に交付するものである(国庫2/3)。
○ 無償使用制度により整備した消防設備の復旧(0.5億円)
国有財産等の無償使用制度(消防組織法第50条)により緊急消防援助隊に配備していた設備で被災等により使用不能となったものを復旧するものである。
○ 消防職団員の惨事ストレス対策(0.2億円)
消防職団員に対する惨事ストレス対策に係る相談会の開催等を行うものである。
(2) 消防防災通信基盤の整備・高度化
○ 消防防災通信基盤の緊急整備(152億円)
今後発生が懸念される大規模災害に備え、緊急消防援助隊による消防広域応援時の部隊間の情報通信機能を強化するため、消防救急無線のデジタル化を推進するとともに、災害情報をより確実に住民に伝達するため、防災行政無線の通信機の学校・病院等への緊急整備、J-ALERT(全国瞬時警報システム)の緊急整備を推進するものである(J-ALERTについては国庫1/2(消防庁整備分を除く。)、その他については国庫1/3)。
○ 住民への災害情報伝達手段の多様化(10億円)
住民への災害情報の伝達手段を多様化するため、災害に強く、他の通信手段も併用した防災行政無線の実証実験を実施するものである。
(3) 緊急消防援助隊の機能強化・消防防災体制の充実
○ 緊急消防援助隊の機能強化(56億円)
大規模災害に備え、消防広域応援時における後方支援体制及び通信基盤等の強化を図るため、国有財産等の無償使用制度(消防組織法第50条)を活用して、燃料補給車及び無線中継車等の設備を緊急に整備するものである。
また、広範囲かつ長期間に及ぶ大規模災害時における緊急消防援助隊の活動を支援するための活動拠点のあり方に関する検討を行うものである。
○ 消防団員の安全対策の推進(20億円)
東日本大震災では、数多くの消防団員が犠牲となったことを踏まえ、全国の消防団に対し、津波・豪雨等の水災害時における団員の活動中の安全を確保するための装備の整備を支援するものである(国庫1/3)。
(4) 消防防災技術の調査研究の推進、震災における消防活動等の経験の集積・検証
○ 震災・津波を踏まえた消防防災技術の調査研究(4.5億円)
東日本大震災におけるコンビナート施設被害の調査・解析、津波滞留水域内における消防活動の調査・解析、トリアージ体系(緊急度判定支援システム)の構築等を行うものである。
○ 消防機関等の活動記録の集積・調査分析等(0.6億円)
東日本大震災における被害状況、緊急消防援助隊等の活動状況等について情報収集・整理及び調査分析を行うものである。