3.火山災害対策の課題
火山災害による人的被害の発生を防ぐためには、前項のような火山災害対策を引き続き推進していくことが重要であるほか、消防防災用施設・資機材等の整備等も重要である。
特に、火山災害は風水害や地震のように頻繁に発生するものではないため、組織体制や知見等の面から、防災体制を構築することに困難を伴っていることも事実であり、実際の緊急時に機能する実効的な火山防災体制の整備・維持や、住民に対する継続的な防災意識の啓発が課題となる。それとともに、いざという時に迅速かつ確実に避難が行われるよう、平常時からの協議会等の場における関係機関の連携の下、具体的で実践的な避難計画を検討し、情報伝達体制、避難についての広報手段、誘導方法、避難所等をきめ細かく定めておくことが必要である。特に、高齢者等の自力避難の困難な災害時要援護者に関しては、事前に避難の援助を行う者を定めておくなど支援体制を整備し、速やかに避難できるよう配慮する必要がある。