平成24年版 消防白書

第6節 救助体制

1.救助活動の実施状況

(1) 救助活動件数及び救助人員の状況

消防機関の行う人命の救助とは、火災・交通事故・水難事故・自然災害や機械による事故等から、人力や機械力等を用いてその危険状態を排除し、被災者等を安全な場所に搬送する活動をいう。
平成23年中における全国の救助活動実施状況は、救助活動件数57,641件(対前年比2.610件増、4.7%増)、救助人員63,618人(同4,936人増、8.4%増)である(第2-6-1表、附属資料II-41)。

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このうち、救助活動件数の増加の主な要因は、「建物等による事故」である。「建物等による事故」の救助活動件数は20,783件(対前年比1,551件増、8.1%増)である。
また、救助人員の増加の主な要因は、「風水害等自然災害事故」である。「風水害等自然災害事故」の救助人員は、6,472人(対前年比5,970人増、1,189%増)である。なお、東日本大震災での救助者数は5,064人(平成23年6月30日19時現在)である。

(2) 事故種別救助活動の状況

平成23年中における救助出動人員(救助活動を行うために出動したすべての消防職団員をいう。)は、延べ1,341,459人である。このうち、消防職員の出動人員は延べ1,232,440人で、うち交通事故による出動が29.0%、火災による出動が15.6%である。一方、消防団員の出動人員は、延べ109,019人で、うち火災による出動が73.8%である。
次に、救助活動人員(救助出動人員のうち実際に救助活動を行った消防職団員をいう。)は、延べ572,852人であり、救助活動1件当たり9.9人が従事したこととなる。また、事故種別ごとの救助活動1件当たりの従事人員は火災の16.4人が最も多く、次いで水難事故の15.3人となっている(第2-6-2表)。

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