平成24年版 消防白書

[国際協力・国際交流]

1.アジア国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化などが進む中、人命・財産や都市インフラ、各種施設等を火災や自然災害から守るため、消防防災体制を拡充する必要性が高まりつつあり、人命救助や消火、火災予防の技術や体制に関して、我が国消防に対する期待も大きい。このようなことを踏まえ、主としてアジア圏内各国を対象に、対象国の状況に応じ、消防防災能力の向上に資するため、我が国の消防技術・制度・体制等を当該国で広く紹介する国際消防防災フォーラムを開催している。また、これを通じて、各国消防防災部局との信頼関係を構築し、不測の災害救援にも備えるものである。
平成24年度は、8月にモンゴル国ウランバートル市において本フォーラムを開催した。昨年の東日本大震災における消防庁の動きと仙台市消防局の活動について情報共有を図るとともに、来年度、無償資金協力(モンゴル国ウランバートル市消火技術及び消防機材改善計画)により我が国から消防車両が配備されることに合わせて、(財)日本消防設備安全センターからは消防車両を活用した消防技術指導について、札幌市消防局からは寒冷地での消防資機材の運用について説明し、意見交換を行った。

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