2.違反是正の実効性向上
消防法令の違反是正については、平成13年の新宿歌舞伎町ビル火災を契機として立入検査及び措置命令に関する規定の大幅な改正を行い、違反是正の促進に取り組んできたが、消防機関による警告・命令の発動件数には、依然として、地域や消防本部の規模等によって大きな差が生じている。
消防庁においては、全国的に違反是正の実効性を向上させるため、平成25年度に、各都道府県において中心的な役割を担っている中核市以上の消防本部における違反是正の体制等について実態調査を実施した。
その結果、大都市の消防本部と中核市の消防本部を比較・分析したところ、中核市の消防本部の多くが、立入検査や違反是正のための管理体制に課題を有していることが明らかとなった。また、消防本部によっては、違反是正の実務を担う職員の経験が乏しく、結果として違反是正が実施されていない状況が明らかとなった。
こうした現状を踏まえ、特に中核市以下の消防本部を中心に違反是正の実効性を高めるため、消防本部における管理体制の整備や、違反処理の経験が豊富な大都市の消防本部を中心とした消防本部間の広域的な連携方策を検討するなど、違反是正の更なる推進を図る必要がある。