3.比較的小規模な施設に適した自動消火設備の技術開発の促進
近年、比較的小規模な高齢者施設、診療所において多数の人的被害を伴う火災が相次いだことを受け、自力で避難することが困難な方が入所する高齢者・障害者施設や避難のために患者の介助が必要な病院・診療所については、原則として面積にかかわらずスプリンクラー設備の設置を義務付けたところである。
この改正により、比較的小規模な施設についてもスプリンクラー設備の設置が必要となったが、既存の施設については建築物の構造等によって、設置のための改修に制約が多いものもあると考えられる。このため、スプリンクラー設備に代えて設置することができ、設置時の制約がより少ないパッケージ型自動消火設備を導入する事例が今後増加すると考えられる。
ただし、パッケージ型自動消火設備に係る技術上の基準は、中小規模の施設に設置する場合、単位面積当たりの設置費用が割高になる傾向がある。このため、今後、「消防防災科学技術研究推進制度」等を活用し、中小規模の施設に適したより施工性の高い自動消火設備の開発を促進し、その成果を踏まえて必要な技術上の基準の策定を進め、設置する事業者の負担軽減を図っていく必要がある。