平成26年版 消防白書

10.製品火災対策の推進

近年の火災の出火原因は極めて多様化しており、その中で自動車等、電気用品及び燃焼機器など、国民の日常生活において身近な製品から火災が発生しているため、消費者の安心・安全の確保が強く求められており、消防庁では製品火災対策の取組を強化している。
これらの火災について消防庁では、消防機関の特性を活かして火災情報を網羅的に収集する体制を確立し、発火源となった製品の種類ごとに火災件数を集計して、製造事業者名と製品名などを四半期毎に公表することにより、国民への注意喚起を迅速かつ効率的に行っている。
平成25年(平成25年1月~12月)に発生した自動車等、電気用品及び燃焼機器に係る火災のうち、「製品の不具合により発生したと判断された火災」等であるとして、消防機関から報告されたものについて集計したところ、「製品の不具合により発生したと判断された火災」が233件、「原因の特定に至らなかった火災」が518件、「現在調査中の火災」が48件であり、製品火災全体(調査中含む)では799件であった(第1-1-28図)。

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この調査結果については、全国の消防機関に通知するとともに、収集した火災情報を消費者庁、経済産業省、国土交通省、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)と共有し、連携して製品火災対策を推進することとしている。
また、全国の消防機関が行う火災原因調査に対し、消防研究センターにおける専門的な知見や資機材による鑑識等の技術的支援を行うなど、消防機関の調査技術の向上を図りつつ、火災原因調査・原因究明体制の充実強化に努めていくほか、製品火災に係る情報収集・活用を積極的に推進し、関係機関との連携を図りつつ、消費者の安心・安全を確保し、製品に起因する火災事故の防止を推進することとしている。

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