4.出火原因
平成25年中の総出火件数4万8,095件のうち、失火による火災は3万2,128件(全体の66.8%)であり、失火の多くは火気の取扱いの不注意や不始末から発生している(第1-1-20図)。
また、出火原因別にみると、放火が5,093件で最も多く、次いでたばこが4,454件、たき火が3,739件の順となっている(第1-1-21図)。
(1) 「放火」による火災が17年連続して第1位
放火による出火件数は、平成15年以降おおむね減少傾向が続いており、平成25年中の放火による出火件数は5,093件で、前年(5,370件)に比べ277件(5.2%)減少しているものの、全火災(4万8,095件)の10.6%を占め、17年連続して出火原因の第1位となっている。これに放火の疑いを加えると8,786件(全火災の18.3%、対前年度比1.1%減)となる(第1-1-11表、第1-1-21図、第1-1-22図)。
放火による損害額は41億8,163万円で、これに放火の疑いを加えた損害額は80億1,418万円となる(第1-1-11表)。
次に、放火及び放火の疑いによる火災を発火源別にみると、ライターによるものが2,405件(全体の27.4%)と最も多くなっている(第1-1-11表)。
また、放火及び放火の疑いによる火災1件当たりの損害額を時間帯別にみると、8時~10時の時間帯で損害額が多くなっている(第1-1-23図、附属資料21)。
(2) 「たばこ」による火災の61.5%は、不適当な場所への放置によるもの
平成25年中のたばこによる火災は4,454件で、全火災(4万8,095件)の9.3%を占めている(第1-1-12表、第1-1-21図)。
たばこによる火災の主な経過別出火状況をみると、不適当な場所への放置によるものが2,741件(61.5%)であり、半数以上を占めている。たばこが原因の火災による損害額は、44億1,627万円となっている(第1-1-12表、第1-1-19図)。
(3) 「こんろ」による火災の56.4%は消し忘れによるもの
平成25年中のこんろによる火災は3,717件で、全火災(4万8,095件)の7.7%を占めている。こんろの種類別では、ガスこんろによる火災が最も多く3,276件(88.1%)で、こんろによる火災の大半を占めている。こんろによる火災の主な経過別出火件数をみると、56.4%に当たる2,098件が消し忘れによるものである(第1-1-13表、第1-1-21図)。
(4) 着火物は前年と同様「枯草」が第1位
平成25年中の全火災の着火物別出火件数は枯草が8,508件と全体の17.7%を占め、最も多くなっている(第1-1-14表)。