1．火災事故

危険物施設における平成25年中の火災事故の発生件数は、平成元年（1989年）以降火災事故が最も少なかった平成5年（1993年）の107件と比較すると、危険物施設数が減少しているにもかかわらず、約1.8倍に増加している。主な発生要因については、維持管理不十分、操作確認不十分等の人的要因によるものが多くを占めている。

（1）　危険物施設における火災事故発生件数と被害

平成25年中の危険物施設における火災事故の発生件数は188件（対前年比10件減）、損害額は4,334百万円（同1,636百万円増）、死者は7人（同3人増）、負傷者は55人（同50人減）となっている（第1-2-2図）。

また、危険物施設別の火災事故の発生件数をみると、一般取扱所が124件と最も多く、次いで製造所が32件、給油取扱所が22件の順となっており、これらの3施設区分の合計で全体の94.7％を占めている（第1-2-3図）。

一方、火災事故188件のうち112件（全体の59.6％）は、危険物が出火原因物質となっている（第1-2-4図）。

（2）　危険物施設における火災事故の発生要因

平成25年中に発生した危険物施設における火災事故の発生要因の割合をみると、人的要因が55.9％、物的要因が28.7％、その他の要因、不明及び調査中を合計したものが15.4％となっている（第1-2-5図）。

また、着火原因別にみると、静電気火花が35件（前年同数）と最も多く、次いで過熱着火が28件（対前年比7件増）、電気火花が21件（同1件減）となっている（第1-2-6図）。

（3）　無許可施設における火災事故

危険物施設として許可を受けるべき施設であるにもかかわらず、許可を受けていないもの（以下「無許可施設」という。）における平成25年中の火災事故の発生件数は5件（対前年比2件増）であり、死者は2人（前年同数）、負傷者は5人（対前年比3人増）となっている。

（4）　危険物運搬中の火災事故

平成25年中の危険物運搬中の火災事故の発生件数は5件（対前年比3件増）であり、死者は1人（同1人増）発生し、負傷者は発生していない（同1人減）。

（5）　仮貯蔵・仮取扱い中の火災事故

仮貯蔵・仮取扱い中の火災事故は、平成24年に引き続き発生していない。