2.流出
危険物施設における平成25年中の危険物の流出事故の発生件数は、平成元年(1989年)以降流出事故が最も少なかった平成6年(1994年)の174件と比較すると、危険物施設数が減少しているにもかかわらず、約2.2倍に増加している。主な発生要因については、人的要因によるもの、物的要因によるものいずれも多数発生しているが、物的要因によるもののうち、特に腐食疲労等劣化等の経年劣化によるものが増加している。
(1) 危険物施設における流出事故発生件数と被害
平成25年中の危険物施設における危険物の流出事故の発生件数(火災に至らなかったもの)は376件(対前年比1件増)、損害額は439百万円(対前年比58百万円増)、死者はなく(前年同数)、負傷者は18人(対前年比6人減)となっている(第1-2-7図)。

また、危険物施設別の流出事故の発生件数をみると、一般取扱所が101件と最も多く、次いで屋外タンク貯蔵所が73件、移動タンク貯蔵所が60件の順となっている(第1-2-8図)。

一方、流出事故376件のうち、372件(98.9%)が石油製品を中心とする第4類の危険物の流出となっている。これを品名別にみると、第2石油類(軽油等)が164件と最も多く、次いで第3石油類(重油等)が109件、第1石油類(ガソリン等)が76件、第4石油類(ギヤー油等)が21件の順となっている(第1-2-9図)。

(2) 危険物施設における流出事故の発生要因
平成25年中に発生した危険物施設における流出事故の発生要因の割合をみると、人的要因が35.9%、物的要因が54.5%、その他の要因、不明及び調査中を合計したものが9.6%となっている(第1-2-10図)。

また、発生要因別にみると、腐食疲労等劣化によるものが141件(対前年比9件増)と最も多く、次いで操作確認不十分によるものが47件(同13件増)、破損によるものが31件(同12件減)となっている(第1-2-10図)。
(3) 無許可施設における流出事故
平成25年中の無許可施設における流出事故の発生件数は4件(対前年比2件減)であり、死傷者は発生していない(死者:前年同数、負傷者:対前年比2人減)。
(4) 危険物運搬中の流出事故
平成25年中の危険物運搬中の流出事故の発生件数は15件(対前年比4件増)であり、死傷者は発生していない(死者:前年同数、負傷者:対前年比1人減)。