平成26年版 消防白書

3.地下施設等の災害対策の課題

鉄道トンネル(地下鉄道トンネルを含む。)、道路トンネル及び今後開発が予想される大深度地下施設は、出入口が限定された閉鎖性の高い場所であり、いったん火災等が発生し、濃煙、熱気が充満した場合には、利用者の避難・誘導、消防隊の消火・救助活動等に種々の制約、困難が伴うこととなることから、適切な防災安全対策を講じていく必要がある。
特に、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法を利用する事業が行われる際には、同指針等を踏まえた安全対策が講じられるよう、適切な助言等を行う必要があるが、平成23年5月にその建設が正式に決定した中央新幹線は、大都市圏で大深度地下の利用が想定されており、万一災害等が発生した場合に迅速かつ安全に乗客の避難が行えるとともに、的確な消防活動が行えるように必要な対策を講ずるべきであり、計画の進捗状況に応じて、適切な助言等を行っていく必要がある。

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